市川大百科事典 け 芸妓 げいぎ
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『目で見る市川の100年』(郷土出版社)より |
女性の専門職で自営業で「芸者」ともいう。宴席で唄や日本舞踊などの芸能で客を接待する仕事をする。
芸妓文化の始まりは、江戸時代中期の京都といわれている。
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京都先斗町 |
芸妓遊びのできる店が集まっている地域が、「花街」(はなまち、かがい)。料理屋(料亭)・待合茶屋・置屋(芸者屋)がまとめて「三業」と呼ばれていたためため、「三業地」という別名もあった。
○料理屋→仕出し・ケータリング会社
○待合茶屋→イベントプロデュース会社
○置屋→タレントエージェンシー、芸能プロダクション
客が待合茶屋に「こんな宴席を設けたい」と声をかけると、趣旨や予算に合わせて料理屋に仕出しを頼み、置屋に芸妓を派遣してくれるように頼む。このシステムは、江戸時代くらいまでは全国の花街で共通だった。
関東などには、「検番」と呼ばれる施設があって、以下の役割を果たしていた。
○待合茶屋・料理屋と置屋の中間に立って、芸妓派遣のあっせん
○花代(芸妓への報酬)の計算
○芸妓の開業・廃業に伴う公的機関への手続きの代理
○芸妓への技芸試験
市川真間には、かつて市川二業組合検番があった(待合茶屋・置屋で「二業」)。
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『目で見る市川の100年』(郷土出版社)より |
参考資料
- 『目で見る市川の100年』(郷土出版社)
- 地方都市における芸妓文化の現状と課題 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasess/36/0/36_73/_pdf
- 芸妓という労働の再定位 http://www.ritsumei-arsvi.org/uploads/center_reports/17/center_reports_17_12.pdf
- 人材・組織システム研究室 第11回 舞妓さん育成に学ぶ ~シビアな相互チェックと明快な評価制度の下での人材育成~ https://www.jinzai-soshiki.com/archives/interview/post_52.html
関連項目
- 市川 芸妓ものがたり 1https://life-livelihood.blogspot.com/2020/11/blog-post_14.html
- 市川 芸妓ものがたり 2 ~料亭「鴻月」のその後を訪ねるhttps://life-livelihood.blogspot.com/2020/11/blog-post_15.html
- 市川 芸妓ものがたり 3 ~花街の成り立ちhttps://life-livelihood.blogspot.com/2020/11/blog-post_16.html
- 市川 芸妓ものがたり 4 ~芸妓はどこへ消えたのかhttps://life-livelihood.blogspot.com/2020/11/blog-post_19.html
- 市川 芸妓ものがたり 5 ~町の変貌と生業の移り変わりhttps://life-livelihood.blogspot.com/2020/11/blog-post_6.html
- 市川 芸妓ものがたり 6 ~語り継がれない歴史の一幕https://life-livelihood.blogspot.com/2020/11/blog-post_30.html
- 市川 芸妓ものがたり 7 ~料亭「白藤」の建物が解体https://life-livelihood.blogspot.com/2021/11/7.html
- 市川 芸妓ものがたり 8 ~ かつて芸妓が食べたすしを、私も 鮨会館 林屋https://life-livelihood.blogspot.com/2021/12/8.html
森 真希 2022/07/14
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