2023年3月末にクローズしてからの「市川市学習交流施設 市本(いちぼん)」

 「公募型プロポーザル」というワードを目にして、思い出したのが「市川市学習交流施設 市本(いちぼん)」。
かつて市本があった施設


 市本は2021(令和3)年11月3日にオープンし、2023(令和5)年3月31日にクローズ。市川市の資料によると令和3年度に6132万1000円の予算で整備され、翌年度には3110万4000円の運営費が予算として計上されていました。
令和4年度当初予算説明より



 2024(令和6)年には期間限定の「Ichikawa 駅前ミュージアム」として、3月14~20日に「新作家展」が、7月11~17日には「ねこ百態展」が開催されたようです。




 検索してヒットしたのは、この2回。クローズしてから1年10カ月が過ぎ、その間に利用されたのは14日だったということになります。


 この施設のガラス扉の内側には、数枚の枯れ葉が…… 
 6000万円以上も税金を投入して整備したのに……
 さ、寒い……



 いまだに謎なのが、3110万4000円の運営費。クローズした際にも「年間3,000万円かかるという内訳ってどこかでわかるんですかね…」というツイート(現在はX)がありました。

 市本が、「本を介した地域コミュニティづくり」が目的の学習交流施設だとしたら、すでにある図書館の本を利用する形で運営費を大幅に削減できたでしょう。
 ただ、以前も指摘したように、活字離れ・出版不況が続く中、「本を介して交流したい」というニーズは低く、市川市が閉鎖理由とした「来館者が少ない」というのも初めから予想できたでしょう。ですから、「来館者が少ない」と予想していた施設の運営に3110万4000円かけるという予算のほうが、なんだか問題な気もしています。

 JR市川駅から徒歩1分という好立地にもかかわらず、放置されている印象の、市本が存在した施設。
 『クラナリ』では過去に「市本の施設はそのままで、3~6カ月のタームで、市内の企業や文化施設がアンテナショップを開く」というプランを勝手に提示しましたが、近隣の大学に「学習交流施設」として貸し出すことも考えられそうです。施設運営という「実学」。どうでしょうか?


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