シュルレアリスム公園へようこそ ~上と下はあるが基点はない(八幡)

 子どもが遊ぶための公園なのに、なぜか子どもの姿が見えない……そんなシュルレアリスム公園が市川市内に点在しています。



 シュルレアリスム公園には、古い地名がついていることは珍しくありません。
 「上浅間きずな公園」もその一つ。「うえあさま」ではなく「かみせんげん」です。

 上があれば、下がある。
 前があれば、後ろがある。

 これらの大前提は基点です。「○○よりも上」「○○よりも前」というように、○○という基点がなければ、全く話になりません。
 ところが、市川市には「浅間」という地名が見当たらないのです。
 
 関東小字地図には、昭和10年に発行されたとされている『市川市全圖』のデータが収載されています。それを見ると、旧中山町に「浅間前」「浅間後」という地名はあるものの、「浅間」はありません。公園の名前になっている「上浅間」なんて存在しません!

 市川市立図書館のページでも、古い地名として掲載されているのは「(旧中山町)浅間前」で、こちらには「浅間後」さえ掲載がないのです。

 浅間がないのに、「上浅間きずな公園」のきずなって一体……?

 この公園については、道路用地買収の後に、道路として使われなかった土地が公園になったのだと推測できます。

 ちなみに、葛飾八幡宮の境内には浅間社があり、大柏川と真間川が合流するところには「浅間橋」が架かっています。

 千葉県内の古い地名(小字)には「浅間」がついてるものも多く、当時は地域から富士山が見えたことが関係している可能性もあります。

 現在、上浅間きずな公園からは、富士山は見えません。また、砂場や遊具はなく、ベンチと石3つ。

 下の写真の奥に、小道のようなものが見えますね。


 小道は舗装されているのですが、なんだか シュルレアリスム。

 近くに架かっている橋も、シュルレアリスム。



■参考資料
関東小字地図



市川の地名(市川市ってどんな街? 6) 
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