行政ではなく民間が運営する地域通貨を、とにかく調べてみた
日本でのスマートフォン(スマホ)の普及率は、2023年で88%程度と考えられます。また、いわゆる「デジタルマネー」も手軽に利用できるようになりました。
http://atom-community.jp/
https://www.waseda.jp/inst/wavoc/assets/uploads/2025/03/12_atom.pdf
岐阜県岐阜県高山市・飛騨市・白川村
さるぼぼコイン
福岡県糟屋郡新宮町
デジタルマネーが一般化し、年齢の壁がなくなってきたことで、地域通貨を取り入れる自治体が増えてきているという印象です。千葉県市川市では、デジタル地域通貨ICHICO(イチコ)の実証実験が2023年5月に本八幡駅周辺のエリアでスタートしてから、利用できるエリアが広がるなど事業が拡大しています。
一方、2000年頃に主にアナログで民間に取り入れられてきた地域通貨は、現在どうなっているのでしょうか。
千葉県では千葉市西千葉地区の地域通貨ピーナッツが有名でしたが、2025年4月23日現在、稼働しているのかが確認できませんでした。
●ピーナッツクラブ西千葉
ピーナッツは、1999年2月に小切手型からスタートして、同年9月に通帳型に切り替えています(スムーズな移行でもなかった模様)。上記サイトを見た限りでは、ピーナツはデジタルに切り替わっているという印象です。
なお、地域通貨には、主に以下のタイプがあります。
〇小切手型 支払いに地域通貨の小切手を切り、その小切手を事務局に送って集計する方式
〇紙幣型 運営主体がオリジナルの紙幣を発行する方式
〇通帳型 サービスを提供する側と受け取る側の両方の通帳に、金額と内容を記入する方式
〇デジタルマネー型 スマホアプリなどを利用する方式
![]() |
地域通貨の流通ルート(総務省 デジタル田園都市国家構想実現会議第6回より) |
最近までの稼働が確認できた、民間が運営する地域通貨
神奈川県相模原市緑区 藤野地区
よろづ(萬)
運営:よろづ屋事務局(ボランティア団体)
よろづ(萬)
運営:よろづ屋事務局(ボランティア団体)
東京都新宿区高田馬場
アトム
運営:アトム通貨実行委員会
アトム
運営:アトム通貨実行委員会
※紙幣型
※新宿(東京)、新座(埼玉)、女川(宮城)に支部![]() |
紙幣型の地域通貨アトム |
http://atom-community.jp/
https://www.waseda.jp/inst/wavoc/assets/uploads/2025/03/12_atom.pdf
東京都国分寺市
ぶんじ
運営:地域通貨ぶんじプロジェクト
ぶんじ
運営:地域通貨ぶんじプロジェクト
東京都八王子市
てんぐ
運営:探し切れず……
てんぐ
運営:探し切れず……
※通帳型
https://hachioji-community-currency-teng.jimdosite.com/
https://www.facebook.com/tengcommunity/?locale=ja_JP
https://hachioji-community-currency-teng.jimdosite.com/
https://www.facebook.com/tengcommunity/?locale=ja_JP
千葉県鴨川市
あわマネー
運営:探し切れず……
あわマネー
運営:探し切れず……
※通帳型
※2025年4月23日現在、サイト(https://awamoney.net)がアクセスできない状態
※2024年の活動履歴あり
※2025年4月23日現在、サイト(https://awamoney.net)がアクセスできない状態
※2024年の活動履歴あり
あわマネー交流会2024のご案内
地域通貨 あわマネー
https://awamoney.net › 2024/10 › kouryu2024
2024/10/23 — あわマネー交流会2024のご案内. 【日時】2024年11月1日(金)AM11:00〜12:00. 【会場】awanova 古民家したさん(鴨川市釜沼1009)
岐阜県岐阜県高山市・飛騨市・白川村
さるぼぼコイン
運営: 飛騨信用金庫
プラットフォーム:MoneyEasy
福岡県糟屋郡新宮町
CoCoコイン
運営: 一般社団法人中小企業事業推進機構
システム開発:株式会社イーハイブ
プラットフォーム:Pokepay
※多機能型コワーキングスペースである新宮CoCoスクエアでの活動やサービスで利用可
***
電子カード型の地域通貨のプラットフォームなどをまとめておきました。プラットフォーム
Pokepay
開発:株式会社ポケットチェンジ
※かなり有名になったアメリカニューヨーク州の都市イサカの地域通貨イサカアワーについては、2013年の時点で「廃れていた」という報告がありました。イサカアワーは、不況と失業で苦しめられていた1991年に、社会運動家のポール・グローバーが「町にも、自分にもドルがなかったから、自分たちのおカネを刷ってみた」ということで発案しました。
世界一有名な地域通貨「イサカアワー」を見に、イサカまで行ったのに、「イサカアワー」はもう廃れていたという大事件。とはいえ、大切なことは、お金のあり方そのものではなく、ひとのつながりを見つめなおし、作りだし、深めていくこと。そのためのたくさんの事業や暮らしかたがイサカにはたくさんあって、もはや「地域通貨」がなくとも、その目的を達成しているようにも見えました。
■主な参考資料
令和6年版 情報通信白書の概要第Ⅱ部 情報通信分野の現状と課題
デジタルを活用する際に必要となるインターネットなどに接続するための端末について、2023年の情報通信機器の世帯保有率は、「モバイル端末全体」で97.4%であり、その内数である「スマートフォン」は90.6%である。また、パソコンは65.3%となっている(図表Ⅱ-1-11-1)。
必要な物や人をつないで育てる、コミュニケーションツール/あわマネー・林菜穂子さん(鴨川)
https://bonichi.com/2022/11/17/262632/?srsltid=AfmBOoo3Qm9w5e3Mxn-O4kSsmlKc7RURKZQXqEltLod_3_vYTVUAysA_
https://bonichi.com/2022/11/17/262632/?srsltid=AfmBOoo3Qm9w5e3Mxn-O4kSsmlKc7RURKZQXqEltLod_3_vYTVUAysA_
通貨のリローカル化:地域通貨でコミュニティの創成―― リローカリゼーション(地域回帰)の時代へ(その7)
トラストバンク、デジタル地域通貨プラットフォームサービス「chiica」の決済基盤をブロックチェーン技術で提供開始
地域通貨の愉しみ
『エンデの遺言「根源からお金を問うこと」』 著/河邑厚徳+グループ現代 NHK出版
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