「市川駅前再開発で人がいなくなった」件

 「場内エキサイト!市川駅前再開発で人がいなくなったといっても受けた!

 市川市在住のミュージシャンであるサエキけんぞうさんから、Twitterでコメントをもらいました。
https://twitter.com/kenzosaeki/status/1223065257502838784

 このコメントを見て思わず吹き出してしまったわけですが、発端は、市川市街づくり部主催の「令和元年度 景観シンポジウム 建設は景観をどう考える?」という、参加無料のイベントでした。

 moto.8(モトッパチ)が市川景観賞を受賞し、オーナーのサエキけんぞうさんがシンポジウムに登壇した際に、冒頭の発言があったそうです。


moto.8

併設されているco,do motoyawata


 JR市川駅南側の「I-linkタウンいちかわ」は、45階建てのザ・タワーズ・ウエスト(2009年1月竣工)と、37階建てのザ・タワーズイースト(2008年7月竣工)で構成されています。

イチカワチクチクカタカタワイワイ市などのイベントでは人が集まるI-linkタウンいちかわ


 どちらも1階と2階に商業施設用のスペースがあるのですが、ビルが建設されてからこれまでの10年以上も、1度もテナントが入ったことのないスペースが少なくないのです。
 結果として、行政関連がチョコチョコとテナントとして入るパターンになってしまいました。再開発は行政の主導で行われて税金も投入され、竣工後も維持のために税金が使われ続けているという皮肉な話。

 この状況に近隣住民は「なんだかね……」と思っているものの、モゴモゴとしてはっきりと口にしないものですが、さすがサエキけんぞうさん。
 「王様は裸だ!」ときっぱり言えるような少年の心を持ち続けているからこそ、moto.8という建築物が出来上がったのでしょう。

 もちろん、市川駅前再開発を計画した時点では、老朽化や防災などの観点から必要性はあったはずです。ただ、計画スタート時から急速に少子高齢化が進む中で、I-linkタウンいちかわが市川の実情から乖離していったのかもしれません。

 近年では、ハコモノを作らない形でのコミュニティデザインを、行政や民間が取り組むようになってきていますが、I-linkタウンいちかわという大きな複合施設がすでに存在する以上、ハコモノを生かすためのさらなる工夫が求められてきそうですね。

『クラナリ』vol.3で、コミュニティをつくる市民の取り組みを紹介



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