【撮影レポート】国分トマト物語 序章

この表紙は暫定版。タイトルも変更予定

 奈良時代の天平13年(741年)、聖武天皇の詔により日本各地に国分寺が建立されました。市川市内の「国分」という地名の由来は、国分寺にあります。
下総国分寺

 神社や寺院の前には、「門前町」ができることが珍しくありません。そのため市川の国分寺周辺の国分にも、古くから町ができていたのではないかと推測できるわけです。
いちかわ自然博物館だより181号より抜粋。1880年の地形図で、ピンクの部分に町がありました

今昔マップより。左の地図(1896~1909年)の斜線が市街地

 そんな国分にあるサンファーム・シノダの篠田寛徳さんの家は、江戸時代から続く農家。
 寛徳さんのお父さんにお聞きしたところ、トマトの生産を始めたのは昭和50年代ぐらいだったとのことでした。

 サンファーム・シノダのトマトは市場には出回らず、直売のみ。
 本日、火曜日には14:00に直売が始まるそうなので、13:40頃に行ってみました。
 ところが、すでに30名ほどの列!

 先頭の方に「何時から並んでいるんですか?」とお聞きすると「12:15ぐらいかな~」と笑顔でお返事が。
 およそ2時間前。
 驚いていると、他のお客さんが「11:00台に並んでいる人もいるわよ」と教えてくれました。
 先頭から2番目のお客さんは、折り畳みいす持参です。
 「日曜日のほうが並ぶわね」という情報ももらいました。

 自転車で10分ほどかけてくる人もいれば、金町や松戸から車で買いに来る人もいるのだそうです。


 その理由はわかります。
 まず、とにかく安い!
 加えて、新鮮!! 直売ならではの魅力です。

 「0:00から収穫を始めたんですよ」と寛徳さん。「本日収穫」にこだわっていらっしゃるようで、お母さんと2人で深夜に作業が開始されています。

 そして14:00になると、直売所の建物に5人ずつぐらいお客さんに入る形で販売が開始。お客さん1人当たりトマト3袋、4袋は当たり前。みるみる野菜が減っていきます。


 おおお、私の分がなくなってしまう!

 というわけで、撮影はそっちのけで私も列に並んでしまいました。どうしてもトマトが食べたくて……
 サンファーム・シノダでのトマト栽培はどのような経緯で始まったのか、どんな品種をどのように栽培しているのかについては、また次回。
この量で200円! だから皆さん、買いに来るのですね
左がスーパーで買ったトマトで、右が本日収穫のトマト。ヘタがピンと反り返っています


 なお、今回撮影したかったのは「畑で完熟状態のトマト」だったわけですが、直売の日なので熟したトマトはもちろん収穫済み。
 ですから、寛徳さんに撮影していただくことになりました。『市川通信』の表紙は、本日購入したトマトです。
 トマトらしい酸味が味わえて、キュッと引き締まった感じでしっかりと食べごたえがありました。完熟は売り切れてしまったのですが、きっと甘みがもっと強いのでしょうね。食べ比べたいから、次回は買わねば!
 結論を言えば、「ただただ、おいしいトマトを買いに行った」というレポートでした!


■サンファーム・シノダ
千葉県市川市国分3-18-8



サンファーム・シノダでのトマト直売は、日・火・木の14:00から。本日は14:15には直売所の棚の半分が空になっていました。ちなみに、この前の日曜日は15:00過ぎには「完売」の看板が出ていました。
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