総事業費783億円! 「本八幡駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業組合設立認可」って何だろう問題

JR本八幡北口の、将来の駅前風景(本八幡駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業について より)


 本八幡駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業(以降、「本八幡駅前再開発」)について、2025年9月26日付で千葉県より組合設立認可が下りたとXで流れてきました。

 JR本八幡駅の北側には、2030年度にツインタワーが竣工予定とされています。
 総事業費は783億円と千葉県のサイトにはありました。千葉市の千葉新町再開発費用の843億円に次ぐ金額です。ただ、施行地区面積が本八幡駅前は1.1haで、千葉新町は2.9haなので、面積当たりの費用はトップです。近年の建築工事費の高騰も反映されているのかもしれません。

市街地再開発事業等の実施状況(市街地再開発事業等の実施状況 より)



 ところで、「組合設立認可」って、どういうことを指しているのでしょうか。
 再開発の流れが全然わからない素人のクラナリが、調べてみると、次のとおりです。



1 準備会(勉強会、検討会)設立

 本八幡駅前再開発では、2017~2018年に勉強会が実施され、2019年6月には(仮称)本八幡駅北口駅前地区まちづくり検討会が設立されました。

2 権利者による準備組合設立

 準備組合とは、権利者による任意の団体です。市街地再開発組合の設立に向けた準備を行います。

 本八幡駅前再開発では、2021年3月に本八幡駅北口駅前地区再開発準備組合が設立されました。

 準備組合設立後に、事業協力者を選定します。任意の団体である準備組合は金融機関からの借入れが難しいため、民間事業者の協力を得るのが一般的とのこと。
 市街地再開発組合の設立までにかかる費用について、事業協力者に資金を立て替えてもらうことがあります。

 本八幡駅前再開発の事業協力者は、三井不動産レジデンシャル、東京建物、野村不動産、大成建設です。また、コンサルタント業務は株式会社都市設計連合です。

 株式会社都市設計連合のサイトによると、業務内容は次のとおりです。
都市計画決定図書作成支援
事業計画作成(基本設計・資金計画)
建築設計・監理
権利変換計画作成
施行者事務局支援
管理運営計画作成

 現在、私たちが見ることのできる資料は、こちらの会社が作成しているようですね。



 次のステップである市街地再開発組合の設立については、5人以上の地権者が共同で申請して、都道府県知事の認可を得なければなりません。申請に当たっては、施行区域内の所有権者および借地権者のそれぞれ3分の2以上の同意を得る必要があります。


3 千葉県による都市計画決定

 本八幡駅前再開発では、2024年3月29日に都市計画決定・告示が行われました。

4 都道府県知事による事業認可

 本八幡駅前再開発では、2025年9月26日付で、千葉県知事が本八幡駅北口駅前地区市街地再開発組合の設立を認可しました。

5 権利者による市街地再開発組合設立

 市街地再開発組合は法人格を持つ事業の施行者です。設立が認可されると、その区域内の地権者全員と参加組合員が組合員となります。
 定款、事業計画を定めて、総会、役員(理事3人以上、監事2人以上)、審査委員(権利変換計画等について審査する者、3人以上)を置かなければなりません。

 本八幡駅前再開発が、この段階にあるようです。

6 都道府県知事による権利変換計画の認可

 権利変換とは、地区内の権利者の権利の種類と資産額に応じて、事業後に完成するビル(再開発ビル)の敷地や床に関する権利が与えられることです。

 権利変換期日を迎えると、現在の土地や建物に関する権利は、再開発ビル内の新しい部屋などの権利に置き換わります。

7 解体工事

 本八幡駅前再開発では、2026年の予定。

8 建築工事

 本八幡駅前再開発では、2027年に開始する予定。

9 再開発ビル竣工

 本八幡駅前再開発では、2030年の予定。

■主な参考資料
市街地再開発事業等の実施状況

超高層ビル・都市開発研究所

葛飾区

市街地再開発事業の概要(民間施行) - 東京都都市整備局

本八幡駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業について(付議)
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