本八幡駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業はどのように進むのだろうか、ひとまず市川駅南口地区第1種市街地再開発事業をざっくり追ってみた
本八幡駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業(以降、「本八幡駅前再開発」)は、2025年9月26日付で千葉県より組合設立認可が下りました。
なお、市川市が2025年7月28日に発表した「本八幡駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業について」では、2024年度に再開発組合設立、2025年度に権利変換計画認可、2026年度に解体着手、2027年度に着工、2030年度に竣工となっています。
つまり、計画よりも1年で遅れで、再開発組合が設立されています。単純に考えれば、今年に権利変換計画認可、来年は解体着手となりそうですが、不確定要素は多々あります。
最大の不確定要素は、工事費の高騰。2025年12月5日付の読売新聞で、「最近5年に認可された事業の6割で工期延長や増額が生じている」と報じられていました。
また、インフレ率の上昇を受けて、2025年12月19日、日本銀行は金利を0.75%に引き上げました。
そして、「飛ぶように売れていた」といわれていた湾岸エリアのタワマンで、中国人富裕層の購入が激減し、売れ残りが生じているとのこと。
中国の人たちは株を買う人にありがちな、坪単価がちょっと高くともその後の値上がりを期待して買う、ということをやるんですよね。日本人はそういう買い方しないけど。それがこの今直近においてビタッと止まったの。
原油高や労働力不足による工事費の高騰はすでに多数報告されてきましたが、そこに金利の引き上げが加わると、借入金の利息が膨らみます。
また、東京でタワマンの売れ行きに陰りが出ると、隣の千葉県市川市にも影響が及ぶと推測します。
こうした社会情勢の中で、本八幡駅前再開発はどのように進んでいくのでしょうか。
ここで、バブル崩壊というかなり大きな社会現象のあった市川駅南口地区第1種市街地再開発事業(以降、「市川駅南口再開発」)の流れを、改めて確認してみました。
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市街地再開発事業には、第1種と第2種の2種類があります。
市街地再開発事業の種類
第1種:権利変換方式
土地の買収は行われず、地権者は新たに建設されるビルの一部を権利として持ちます。事業を進める上で、地権者の同意が不可欠です。
第2種:管理処分方式(用地買収方式)
防災面できわめて危険である地域や、大災害における避難広場など公共性・緊急性の高い施設の整備が必要な地域で実施されます。土地・建物を買い取るため、地権者の同意が得られなくても事業は可能です。
施行者の種類
個人: 地権者が1人または数人で、他の地権者の同意を得て施行。都市計画決定がなくても可能。
再開発組合: 施行区域内の土地所有者・借地権者が5人以上で設立する民間団体(地権者全員が組合員)。第1種事業(権利変換方式)を施行。
地方公共団体: 駅前広場や道路など公共施設整備が主目的。
都市再生機構
住宅供給公社
再開発会社: 市街地再開発事業を主目的とする株式会社。地権者が議決権の過半数を有し、3分の2以上の土地・借地権を保有。
市川駅南口再開発は、市川市が施行者でした。
一方、本八幡駅前再開発は再開発組合です。市川市は再開発事業の指導と支援を行うという立場になります。
本八幡駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業は、国道14号に面している八幡二丁目の一部で地元地権者を中心とした、組合施行による第一種市街地再開発事業です。
そのため、あくまでも参考として、市川駅南口再開発を振り返ってみました。
市川駅南口再開発の流れ
1980(昭和55)年 市川駅南口地区市街地再開発等調査
1993(平成5)年 都市計画決定
主要用途を商業・業務としていました。
→1991年から1993年にかけてのバブル崩壊で、1995年には住宅金融専門会社が破綻
1995(平成7)年 社会経済状況の変化により施設計画の見直しに着手
2000(平成12)年 都市計画変更
住宅を中心とした施設計画になりました。
2002(平成14)年2月 事業計画決定
2002(平成14)年5月 権利者要望により施設計画の見直しを検討
2003(平成15)年2月 都市計画変更
2003(平成15)年3月 事業計画変更
2003(平成15)年4月 権利変換計画縦覧
2003(平成15)年10月 事業計画変更
2003(平成15)年10月 権利変換計画再縦覧
のべ182 人が権利変換計画を縦覧。
2003(平成15)年12月 権利変換計画認可
総会で承認を得た後、関係者の同意を得て千葉県に認可申請し、千葉県が内容を審査・認可。転出者への補償金の支払いや代替地の紹介などが開始。
2004(平成16)年1月22日 仮設店舗等に関する説明会
2004(平成16)年2月 補償交渉開始
仮設店舗用地に該当する人から交渉を開始。
2004(平成16)年2月12日 転出者への土地等に関する補償金の支払い
2004(平成16)年2月20日 権利変換期日
転出者の土地の補償金を権利変換期日までに、市川市が支払いました。
2004(平成16)年2月 90条登記
従前の土地の表題部の登記を抹消し、新たな土地の表題登記。
2004(平成16)年度 土地建物の明け渡し・特定建築者公募
2004(平成16)年3月4日 第2回仮設店舗説明会
2004(平成16)年10月15日 在庫品処分スペース貸し出し
アーケード入口の駅前広場に面した空店舗を在庫品販売スペースとして提供。
2005(平成17)年3月 特定建築者決定
A街区 三井不動産・野村不動産・清水建設特定建築者共同体
B街区 大成建設・奥村組特定建築者共同体
2005(平成17)年4月5日 アーケード街の取り壊し工事開始
2005(平成17)年6月22日 仮設店舗1号棟(旧メトロビル)で出店者の自衛消防訓練
2005(平成17)年7月27日 権利者への説明会
市川駅南口地区の街づくりコンセプトやデザインコンセプト、今後の全体スケジュールなどについて、説明が行われました。
2005(平成17)年8月4日 A街区(I-linkタウンいちかわ ザ タワーズ ウエスト プレミアレジデンス)起工式挙行
2005(平成17)年8月 B街区( I-linkタウンいちかわ ザ・タワーズ イースト)着工
2005(平成17)年10月 A街区(I-linkタウンいちかわ ザ タワーズ ウエスト プレミアレジデンス)着工
2006(平成18)年9月29日・10月12日 公募についての説明会
商業施設の区画のうち A 街区の保留床 1区画(約 1,600 ㎡)を公募により売却。
2008(平成20)年7月 I-linkタウンいちかわ ザ・タワーズ イースト竣工
→2008(平成20)年9月15日にリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破綻→リーマン・ショック
2009(平成21)年1月 I-linkタウンいちかわ ザ タワーズ ウエスト プレミアレジデンス竣工
2010(平成22)年3月 駅前広場の工事が完了
■主な参考資料
市街地再開発の6割で工期延長や増額、工事費高騰が影響…防災対策など街づくりへの影響に懸念も
市川市のサイト
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