ブームになった地域通貨。その後

2000年頃に地域通貨は日本でブームになり、たくさんの地域で試験的に導入されました。
一時は300を超える地域通貨が流通していたようです。
「日本における地域通貨の実態について ―2016年稼働調査から見えてきたもの― The Current State of Japanese Community Currency Activities Based on the2016Survey 泉 留維・中 里 裕 美」

しかし、地域通貨を使って買い物ができないなどの不便があったことで、利用者が増えませんでした。
そのため、長続きせず、消えていった地域通貨は少なくありません。

市川市の会議録に、市川にあった「てこな」という地域通貨に関する記述が残っています。
http://www.city.ichikawa.lg.jp/cgi-bin/kaigi.cgi?filename=kaigi_050908.txt&count_c=121

てこなで、防犯パトロールの実施・駅前清掃活動など、コミュニティ活動が盛り上がり地域もあったようです。
ただ、ICカードだったことで大きな発展へとつながらなかったと、市の担当者は評価しています。
コミュニティ活動の参加者が、子どもや高齢者など、ICカードを普段は使わない人々だったからです。

てこなに限らず、ICカードシステム導入には端末の設置やソフト開発、カード発行などの費用がかかります。初期費用・保守費用が大きな負担になりそうですね。


一方、利用者はさほど多くはないものの、地域内の助け合いが活発になるという効果を発揮したことで、現在も使われ続けている地域通貨もあります。
千葉県鴨川市を中心に使われている「あわマネー」は2002年に有志10名でスタートしたそうです
2015年には安房全域の約250名参加するネットワークに育ったとのこと。
https://www.facebook.com/yoshiki.hayashi0328

白間津の花畑©南房総市


あわマネーのほか、神奈川県藤野の「よろず」「ゆ~る」、葉山の「なみなみ」、東京都早稲田の「アトム」、国分寺の「ぶんじ」、八王子の「てんぐ」なども現役の地域通貨です。

また、「ご当地WAONカード」のように、企業が発行するIC カードと一体化した地域通貨が増えてきているようです。

利便性とコスト削減を追求し、さまざまな場所で利用できて、長く存続させることを目的とするか。
顔と顔を合わせたコミュニティのつながりを重視して、限られた範囲の限られた人々しか使わなくてもよしとするか。

目的によって、地域通貨のあり方は大きく変わってきそうです。


限定的通貨「イカ(ICA)」に関しては、明らかに後者。換金性も持ちません。
こうした前提で「なんのためにイカを必要とするのでしょうか」「そもそも、お金って何でしょうね」と、次回のワークショップまでに突き詰めていく予定です。

地域に根を下ろし、定年など気にせず、体と頭が健康な限り働き続ける。それが「生業」。
ただやみくもに仕事をするのではなく、身の丈に合った役割を果たすため、イカの価値と可能性についても検討します。

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