再開発はどうしてタワマンがセットなのだろうか問題 ~ モリシア津田沼が再オープンへと動いている?

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 総事業費が1620億円から2060億円へと膨れ上がり、2025(令和7)年5月に一時中断が報じられたJR津田沼駅南口地区再開発。

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 2025(令和7)年12月2日に、習志野市は「文化ホール及びパイプオルガンの対応について」というリリースを出していました。

1.概要
一時中断中のJR津田沼駅南口の再開発事業については、野村不動産株式会社から今年度中を目途に、旧「モリシア津田沼」の取り扱いについて今後の方向性が示される予定です。一方、示される方向性に「一時中断期間中の商業施設の部分的な再開」を想定した場合、足並みを揃えて早急に文化ホールの再開を計画する必要があることから、大規模改修工事を見据えた設計業務に着手いたします。


 そして2026(令和8)年1月5日から2月上旬まで、文化ホールのパイプオルガンの解体と撤去が行われる予定とのこと。
 また、文化ホールは2028年度に暫定再開されるそうです。

 休館中の習志野文化ホール(習志野市)で、市のシンボルとして親しまれてきたパイプオルガンの解体撤去作業が始まり、6日、報道陣に公開された。作業は2月上旬まで行われる見込み。ホールの大規模改修工事が終わった後、2028年度のホール暫定再開時に再び設置される予定だ。


 2023年に休館した習志野文化ホールでは、1月5日からパイプオルガンの撤去作業が行われています。

 約1カ月かけて、大小3512本あるパイプを取り外し、温度や湿度が管理されているコンテナなどで保管されます。

 習志野文化ホールは、JR津田沼駅南口の再開発事業に合わせ建て替えられる予定ですが、施工予定者の野村不動産は、建設費の高騰などを理由に再開発事業を中断しています。

 ただ、野村不動産は2026年度中にも、文化ホールが併設する商業施設の部分的な再開の方向性を示すことになっています。

 報道されている内容を見る限り、複合商業施設のモリシア津田沼は、部分的に営業を再開する可能性が非常に高いでしょう。
 そして、2年後の2028(令和10)年度にパイプオルガンを設置した文化ホールが暫定再開される予定で、そのための改修費が総額20億円と見込まれていることから、JR津田沼駅南口地区再開発の計画が根底から見直されるのでしょう。

 同様のケースが、1970(昭和45)年竣工の五反田のTOCビル。建て替えを計画して2024(令和6)年3月に閉館していたものの、工事建築費の高騰で、建て替えを延期。同じ年の9月に営業を再開していたのです。

 それから、東京都大田区のJR蒲田駅東口中央地区市街地再開発準備組合が、「再開発事業の遂行が困難」という理由で、2025年5月に解散していました。

 多くの再開発に関係しているのが、地方公共団体と再開発組合(市街地再開発組合)、デベロッパー(開発事業者)です。

○地方公共団体:行政庁として認可や指導、都市計画の決定するほか、補助金や優遇制度で後押し
○再開発組合:地権者の集まりで、事業主体(施行者)として権利者間の調整や建物の建て替えの実行
○デベロッパー:事業協力者として企画・資金提供・販売などを担当


 地方公共団体は、再開発の都市計画決定をします。都市計画の決定は、すなわち、地方公共団体がこの再開発は「公共の福祉の増進に寄与する」と判断したということです。都市計画決定を受けて初めて、再開発が進められます。

都市計画法第一条
この法律は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

 「人権」(あるいは憲法上の権利)は絶対無制約ではない。日本国憲法において、人権の制約根拠として挙げられるのが「公共の福祉」という概念である。しかし、「公共の福祉」の内容は、必ずしも明確ではない。


 再開発事業では、再開発組合が実質的に主導していないケースは珍しくありません。
 実質的に動くのはデベロッパーで、再開発準備組合の段階から、計画案の作成、収支計算、地権者への説明、合意形成を主導することがあります。
 理由として、再開発組合にノウハウがないことが挙げられます。利害関係の調整、権利変換や保留床(新築ビルの一部)の処分、資金調達など、再開発の作業は煩雑です。
 再開発は数十年単位で進むため、高齢者にはメリットがほとんど感じられないケースもあります。
 例えば、再開発地域の住人はこれまでの住まいを明け渡して、仮の住居に引っ越しを迫られます。このときの引っ越し代やら引っ越し先の家賃は補償されるものの、住人は自分で引っ越し先を探さなければなりません。
 特に、再開発地域に長年住み続けた高齢者には、大きな負担となります。引っ越しの作業そのものだけでなく、知り合いの少ない地域に移り住まなければならないからです。
 そして、再開発地域だけでなく周辺の住民など複数の利害関係者が存在します。

 「高く、大きく建て直す」というタワマンがセットの再開発については、事業を見直すタイミングが来ているようです。

■参考資料
習志野市 習志野文化ホール、大規模改修に向けた補正予算

再開発で「行き場を失う高齢者たち」―問われる「公共の福祉」

再開発の反対運動の組織

蒲田駅周辺地区基盤整備方針



蒲田から蒲田へ「たった800m」の新線に集まる期待

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