入江橋辺りの真間川の川底がデコボコしていた件について

 川底に何が沈んでいるのかなんて、わからないもの。

 だから、水量が減っているときに不思議な構造物を目にするのです。

 今回掲載する写真は、きれいか汚いかでいえば、かなり汚い寄りです。食事中に読むのはお勧めしません。




 真間川には、入江橋が架かっています。
入江橋

 入江橋を渡っていたところ、川底に不思議な構造物を見つけました。
不思議な構造物 写真①

 水量が多い日には、この構造物は沈んでいます。
 できるだけ近づいてみましょう。

不思議な構造物 写真②

 ちょうど、日本郵便の集配車(赤い軽自動車のワンボックス型)が通りがかりました。目測では、不思議な構造物は集配車3台分の長さに相当し、5.1m程度だと思われます(あくまでも印象ということで)。

 真間川沿いを根本方向へと進んでみましょう。
 今度は金属製の棒が、2本、ぬーっと水面から出ています。

突き出した棒

 水面から2本突き出す光景を見ると、古い世代の人間はこの映画を思い出してしまうものです。

犬神家の一族

 名前が不明の赤い橋の下には、コンクリート製の杭がありました。

コンクリート製の杭

 赤い橋と根本橋の間にも、杭が見られます。

コンクリート製の杭

 ここからは、土木工事などド素人のクラナリによる推理(というよりも、検索結果……)です。

 不思議な構造物については、導流堤(どうりゅうてい)。
不思議な構造物

 杭については、コンクリート杭出水制(くいだしすいせい)だと思われます。

コンクリート製の杭

 水制は、川を流れる水の方向を変えたり、勢いに変化をつけたりすることを目的とした構造物です。導流堤もコンクリート杭出水制も、水制の一種です。

 導流堤は、川の流れを速めて、堆積する土砂を河口に押し流すために設けられます。
 有名な導流堤は、九州を流れる筑後川の若津港導流堤(筑後川導流堤、デ・レ-ケ堤)です。

若津港導流堤(大川観光なびより)

 若津港導流堤と、真間川の不思議な構造物を見比べると、「別物じゃないか……」と皆さんは思われるでしょう。自分も思いましたし。
 ただ、筑後川と真間川の共通点として、「水の流れが悪い」ことが挙げられます。そのため、川底に土砂がたまりやすく、大雨が降ると何度も氾濫しました。この共通点から、導流堤と推理した次第です。

 杭出水制は、木杭、または鉄筋コンクリート杭を打ち込んで、水の流れを変えるものです。

 なお、2本突き出した金属製の棒については、水制ではなさそうで、投棄されたものだとしても大きすぎます。これについては未解決。真間川の謎が増えました。

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■参考資料
最上川電子大辞典

導流堤(どうりゅうてい)
泥流や土砂流の流れる方向を制御し、安全に流下させて土砂氾濫の拡大を防ぐ堤防です。

水制(すいせい)
 川を流れる水の作用(浸食作用など)から河岸や堤防を守るために、水の流れる方向を変えたり、水の勢いを弱くすることを目的として設けられる施設です。
 形状としては、水の流れに直角に近いものから、平行に近いものまでいろいろあり、また構造としても、水が透過するように作られたものから、水を透過させないように作られたものまであります。もとめられる機能に応じていろいろな形状・構造のものがあります。

コンクリート杭出水制


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