「何百年に一度起こるかどうか分からない河川氾濫」の頻度が上がる「極端現象」時代に求められる、防災を主眼としたまちづくり
高度成長期の後半頃から、「災害対策だけでなく、景観や利便性を守ることも大切」という考えが広まりました。その一例が、ハイソ真間川です。
○ハイソ真間川と桜並木との、実は深い関係
しかし近年では、これまでの治水の常識や技術だけでは対応できない災害が発生するリスクが高まっています。
千葉県市川市では、2026(令和8)年8月11日に接近した台風15号(チャンホン)が去った2日後、8月13日の午後に「令和8年8月千葉豪雨」が発生しました。
8月19日現在、令和8年8月千葉豪雨による死者は13名と報告されています。
台風が去った後に、まさか豪雨なんて
多くの千葉県民は、このように思っていたのではないでしょうか。
自分も、雨が降ったりやんだりを繰り返していた8月13日の15:00頃に、近所に買い物に行こうとしていました。しかし、なんだか雨の降り方がおかしくて、「様子を見ようかな」と家にとどまっていたら、家の前の道路がみるみるうちに冠水する集中豪雨となったのです。
お盆休みの8月13日、ちょっと外出した人たちが、令和8年8月千葉豪雨の被害に遭ってしまいました。
令和8年8月千葉豪雨は、極端現象(Extreme Weather)といえるでしょう。
極端現象とは、猛暑や極端な低温、激しい大雨、大規模な干ばつといった、極端な気象現象のことです。日本では一般的に異常気象と呼ばれてきましたが、気象庁では次のように用語の使い分けをしています。
「極端現象」とは、極端な高温/低温や強い雨など、極端な気象現象のことを指します。これに対し、「異常気象」は、一般に、過去に経験した現象から大きく外れた現象で、人が一生の間にまれにしか経験しない現象を指します。
江戸川区と千葉県市川市との間を流れる利根川水系江戸川については、8月13日18:25に支川の坂川(大谷口水位観測所)が氾濫危険水位に到達し、非常体制へ移行しました。
行徳可動堰は、8月14日の深夜に開放する連絡が下流の釣り船運営店にあったようですが、結局のところ、行われなかったようです。
14日8時10分時点で、行徳可動堰の操作の基準水位を下回り、今後、水位が上昇する可能性が低いのでは水門の開放を行わないと連絡がありました!
なお、江戸川の下流は堤防が築かれています。
2019(令和元)年の台風19号(令和元年東日本台風)では氾濫危険水位を超える予測が出て、大規模な避難警報・勧告があったものの、堤防決壊や越水(堤防を越えて川の水が市街地に流れ込む)はなかったとのこと。
過去10年において堤防決壊や越水の事例は、ネットではヒットしませんでした。
台風第19号は12日19時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸した後、関東地方を通過し、13日未明に東北地方の東海上に抜けたあと、13日12時に日本の東で温帯低気圧に変わりました。台風第19号の影響により、12日12時から14日0時頃まで 降雨が続き、江戸川野田上流域での累加雨量が300.3ミリ、中川吉川上流域での累加雨量が228.4ミリ、綾瀬川谷古宇上流域での累加雨量が236.2ミリとなりました。このため、江戸川河川事務所では、首都圏外郭放水路、三郷放水路、綾瀬川放水路等の各排水機場を運転し、洪水の氾濫を防ぎました。行徳可動堰を13日4時50分から開放し、洪水を江戸川放水路に流しました。
一方、東京都や神奈川県が下流域の多摩川では、令和元年東日本台風で2019(令和元)年10月12日22:00に、多摩川の左岸である玉川3丁目(二子玉川駅西側)で溢水(堤防のない場所から水が市街地に流れ込む)が起こりました。
令和元年東日本台風と多摩川の溢水
2019年10月12日午前 台風19号が関東地方に接近
13:00 平時は2メートル程度の多摩川の水位が氾濫注意水位の6メートルを超える
14:45 世田谷区が警戒レベル3の「避難準備」発令
15:00 上沼部排水樋門付近(大田区との境界付近の低地)で浸水が発生
15:40 警戒レベル4の「避難勧告」発令
16:00 多摩川が氾濫危険水位の8.4メートルを超える
16:30 等々力排水樋門付近で浸水が発生
17:30 谷沢川が越水
19:30 玉川排水樋管を閉鎖
22:20 玉川3丁目(二子玉川駅西側)の無堤防箇所から多摩川が溢水(溢水量は約4300立方メートル)
22:30 田園調布で多摩川が10.81メートルの最高水位を観測
当時、堤防が作られなかった理由は、住民が反対したからでした。
堤防整備計画がスタートしたのは昭和41年。しかし住民の反対などから計画は十分に進まず、平成13年に住民参加型の治水事業をうたった改正河川法に基づく「多摩川水系河川整備計画」へと引き継がれた。同地区は景勝地としても知られ、戦前から堤防整備に反対する声が強かった。昨年、国が開催した住民との交渉の場でも、住民側から「自然環境を大切にしたい」「何百年に一度起こるかどうか分からない河川氾濫を心配しすぎるのはおかしい」「マンションの資産価値が下がる」などの意見が相次いでいた。
令和元年東日本台風での被害を受けて、2020(令和2)年に堤防工事が始まりました。
「何百年に一度起こるかどうか分からない河川氾濫」は、数年に1度の頻度で起こり得る
これまでの常識が通用しない時代は、すでにやってきています。
気象庁によると、1時間降水量が80mm以上、3時間降水量が150mm以上、日降水量が300mm以上などといった猛烈な大雨は、40年ほど前と比べて2倍程度に頻度が増えています。
令和8年8月千葉豪雨での、千葉市の1時間降水量は115mmでした。
「もうこんなことは起こらないだろう」「起こってほしくない」と私たち人間が思っていても、自然は人間の意思を超越した存在です。
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○【あくまでも素人による無謀な提言】ショップス前産業道路の冠水対策で、鬼高公園と鬼高西公園、鬼高東公園を遊水地にしよう!
高度成長期に無計画に住宅地を増やしてきて、現在は「もともとは1軒あった土地に、3軒新築する」といった建て詰まりが進んでいます。ひたすら利益を追求すると、こうした流れになるのは必然といえます。
「極端現象」時代のまちづくりは、経済性や景観、利便性よりも防災を重視することが求められて生きそうです。
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