2000年代初期から個人で作り始めたローカル情報サイトを格納したい件について
情報を受け取る側が発信する側に回ったのが、2000年代の初期でした。
私自身については、データを確認したところ、1999年頃に個人サイトを作っていました。このときすでに、Webの知識がない素人でも、ホームページビルダー(1994年発売開始)やDreamweaver(1997年発売開始)といったソフトを使えば、サイトが作れるようになっていたのです。
2000年代の初期には、ブログとソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)が日本で普及し始めました。
ライブドアやニフティなどでのブログサービスが始まったのが2003年。株式会社ミクシィが運営するmixiというSNSは、2004年に開始されました。サイトよりも手軽に更新できること、そして芸能人がブログを書くようになったことから、ブログやSNSの認知度が高まっていきました。
また、Apple社がiPhoneを2007年にアメリカで、翌年の2008年には日本で発売スタート。iPhoneの爆発的な人気がきっかけで、スマートフォン(スマホ)の普及が進んだとされています。
![]() |
初代iPhone(写真/Rafael Fernandez) |
一般社団法人電気通信事業者協会のデータでは、携帯電話の契約数は1996年では約867万台でしたが、2020年9月には約1億8522万台。日本の人口が約1億2650万人なので、1人1台以上契約していることになります。
そして、2000年代の後半には、ネットで情報をやり取りすることが当たり前になっています。
2010年くらいから、検索エンジンで引っかかりやすいキーワードを詰め込むのが、ネット情報配信のトレンドになりました。
私は2017年頃にネットニュースに寄稿していたのですが、「最初の100字内に〇〇と××と△△を入れて原稿を書いてください」といった依頼はよく受けていました。
結果として、内容が似たり寄ったりの横並びの情報がWeb上で氾濫することになったわけです。
その後、2017年の医療情報サイトのWELQ(ウェルク)問題(※)、それを受けてのGoogle日本語版の検索ランキングのアルゴリズム変更などの影響で、「PV(ページビュー、ウェブサイト内の特定のページが開かれた回数)を増やして広告料を得る」というビジネスが厳しくなりました。
![]() |
Googleサーチのページより |
「内容が似たり寄ったりの横並びの情報がWeb上で氾濫する」という現象は、ローカルメディアにも見られました。
2015年頃、ローカルメディアがブームになったといえます。行政だけでなく企業や個人が、「地域を盛り上げよう」と、こぞって市町村のPRに積極的に取り組んでいました。その主な舞台がWebで、写真や動画、テキストをサイトやSNSにどんどんアップしていたのです。
しかし、『名探偵コナン』のように同じ地域で立て続けに事件が起こったり、イベントが開催されたりするわけではありません。結果として、複数のローカルメディアで、同時に、同じ内容の情報が発信されることになったわけです。
現在、日本各地のローカルメディアのサイトを再訪すると、「Forbidden」「アクセスできません」となっていたり、変なサイトに飛んだり、更新がすっかり止まっていたりしているのです。コンテンツを集めたり加工したりする労力・費用がかかる割に、広告料が得られない。つまりは稼げないため、ローカルメディアが消えていったと推測しています。
加えて、2000年代初期に個人でサイトを作り始めたケースでは、25年もの月日が流れ、加齢とともに体力・気力が衰えて更新がストップしていたり、維持費がかかるのでやめてしまったり、サイトがスマホに対応していなかったりという状況になりがちです。
そのため、サイトが残っているうちに、運営者の意向を確認した上で、コンテンツをアーカイブ化できればと考えているところです。
また、WELQ問題も踏まえて、アーカイブに格納するかどうかの判断基準も設ける予定です。
※WELQ(ウェルク)問題とは、掲載記事に医学的に誤った情報が多く含まれていただけでなく、著作権を侵害していると指摘されたためにサイトが非公開にされたとともに、記事の作り方に疑問が提示された問題。
●モラルなし DeNA医療情報サイトhttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO10119170Q6A131C1X13000
Leave a Comment