生命の科学 アーユルヴェーダ ~ 基本的な考え方
アーユルヴェーダの最古の文献とされているのが、バラモン聖典『リグ・ヴェーダ(Rig veda)』です。全10巻で、成立年代は各巻により差はありますが、紀元前3000~1000年と考えられているようです。
神々や自然を讃える歌が主に『リグ・ヴェーダ』に収載され、医療に関する讃歌、「薬草の歌」など、医術に関係の深い呪法的な讃歌も見られます。
呪術を中心とする土着の医療経験が、長い歴史の中で体系化されていきました。そして2世紀頃に医学書の『チャラカ・サンヒター』がまとめられ、アーユルヴェーダが成立したと考えられます。
アーユルヴェーダの基本は、注意深い食事とバランスのとれた養生法です。健康は、体内で3つのドーシャの秩序が保たれた状態です。無秩序が、病気の原因になります。
食べ物が肉体・心・意識を養っています。ですから、何を、いつ、どのように食べるかは重要です。
夏はピッタ、秋はヴァータ、冬はカパが旺盛になるので、それぞれのドーシャを悪化させる食べ物は避けましょう。
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季節によって乱れやすいドーシャ |
また、食事では、食べ物の味に集中します。
味わいは、食べ物に備わっているのではなく、食べる人のアグニ(agni、代謝を支配する火)に左右されています。アグニが障害されていると、味覚が鈍くなります。
食事をすることは瞑想すること。決まった量を、規則正しく飲食すべきだと考えられています。
取りすぎた食べ物は、毒素になります。空腹でなければ食事はせず、のどが渇いていなければ水分を摂取しません。
味わいは、食べ物に備わっているのではなく、食べる人のアグニ(agni、代謝を支配する火)に左右されています。アグニが障害されていると、味覚が鈍くなります。
食事をすることは瞑想すること。決まった量を、規則正しく飲食すべきだと考えられています。
取りすぎた食べ物は、毒素になります。空腹でなければ食事はせず、のどが渇いていなければ水分を摂取しません。
水は体のバランスを保つのに重要です。
消化不良のときは、1~2日、食べ物を取らず、白湯だけを飲みように指導されています。腸内に長く残っている毒素をアグニがゆっくりと燃やし尽くします。
ただし、水も飲みすぎると、消化が障害されたり、水分が体内に蓄積したりします。
消化不良のときは、1~2日、食べ物を取らず、白湯だけを飲みように指導されています。腸内に長く残っている毒素をアグニがゆっくりと燃やし尽くします。
ただし、水も飲みすぎると、消化が障害されたり、水分が体内に蓄積したりします。
●アグニ
アグニの機能はピッタに似ていて、代謝の際に働きます。組織や細胞にはアグニが存在し、組織の栄養を維持したり、免疫機序を支えたりしています。アグニの働きで、食物の分解、吸収、肉体への同化はスムーズに進みます。
しかし、3つのドーシャのバランスが乱れて、アグニが妨げられると、体内の免疫系は崩れ、栄養素は消化・吸収されません。
●アーマ(ama)
体内に残った栄養素は大腸にたまり、アーマと呼ばれる物質になります。アーマは腸や血管を塞ぎ、多くの化学変化を経て毒素に変化します。病気はすべてアーマで引き起こされます。
アーマはアグニの機能が衰えたときに発生しますが、アグニが働き過ぎると、栄養素が消化の過程で燃え尽き、免疫力も弱ります。
便と尿と汗という3つのマラ(mala)の産生と排泄は、健康に不可欠す。
毒素は感情からも作られます。
例えば、抑圧された怒りは、ピッタを悪化させて、胆嚢、胆管や小腸の細菌叢を変えます。
また、抑圧された感情は、ヴァータのバランスを乱し、アグニが弱って、アレルギーなど異常な免疫反応が起こります。
病気の原因になっている毒素を排除しないで治療することは、組織の奥深くに毒素を押し込めるだけです。一時的に症状が軽くなっても、病気が再発したり、別の形で悪影響が現れたりします。
そこでアーユルヴェーダでは、以下の手法で毒素の排除と中和が行われます。
例えば、抑圧された怒りは、ピッタを悪化させて、胆嚢、胆管や小腸の細菌叢を変えます。
また、抑圧された感情は、ヴァータのバランスを乱し、アグニが弱って、アレルギーなど異常な免疫反応が起こります。
病気の原因になっている毒素を排除しないで治療することは、組織の奥深くに毒素を押し込めるだけです。一時的に症状が軽くなっても、病気が再発したり、別の形で悪影響が現れたりします。
そこでアーユルヴェーダでは、以下の手法で毒素の排除と中和が行われます。
○感情の発散
怒り、恐怖、嫉妬などの感情を抑圧し続けると、毒素が生まれます。これらの感情に対し、観察と発散を行います。
例えば怒りが現れた場合、この感情の現れる状態を最初から最後まで見届けます。観察することで怒りの性質を学び、それから怒りをそのまま放出します。
重要なのは、心の静寂です。すべての精神活動、思考、感情を注意深く観察し、さまざまな体験にとらわれないようにします。
○パンチャカルマ(肉体と心、感情の浄化法)
汚れた布がきれいに染まらないように、肉体もまず浄化しなければ、どんな健康法も効果はありません。。
「パンチャ」は5、「カルマ」は行動を意味し、(1)催吐(2)下剤または緩下剤による瀉下(3)治療的浣腸(4)薬剤の経鼻的投与(5)血液の浄化、の5つの方法があります。
汚れた布がきれいに染まらないように、肉体もまず浄化しなければ、どんな健康法も効果はありません。。
「パンチャ」は5、「カルマ」は行動を意味し、(1)催吐(2)下剤または緩下剤による瀉下(3)治療的浣腸(4)薬剤の経鼻的投与(5)血液の浄化、の5つの方法があります。
○鎮静療法
毒素を排除する治療をした後、鎮静療法が行われます。
毒素を排除する方法には、絶食(アグニを燃えたたせ、消化を刺激して毒素を中和)、ショウガや黒ゴショウなどの熱性でからい薬草の内服、運動、日光浴、新鮮な空気の中に座っていることが挙げられます。
毒素を排除する治療をした後、鎮静療法が行われます。
毒素を排除する方法には、絶食(アグニを燃えたたせ、消化を刺激して毒素を中和)、ショウガや黒ゴショウなどの熱性でからい薬草の内服、運動、日光浴、新鮮な空気の中に座っていることが挙げられます。
○ヨーガ
インドではヨーガを実践する前にアーユルヴェーダを勉強します。
アーユルヴェーダで肉体が整えられて初めて、ヨーガの霊的科学の修行をする準備ができたと考えられているのです。
サットヴァ(sattva)、ラジャス(rajas)、タマス(tamas)と呼ばれる精神的エネルギーは、行動様式に影響します。この3つの精神的エネルギーを、ヨーガの実践で変革することができます。
インドではヨーガを実践する前にアーユルヴェーダを勉強します。
アーユルヴェーダで肉体が整えられて初めて、ヨーガの霊的科学の修行をする準備ができたと考えられているのです。
サットヴァ(sattva)、ラジャス(rajas)、タマス(tamas)と呼ばれる精神的エネルギーは、行動様式に影響します。この3つの精神的エネルギーを、ヨーガの実践で変革することができます。
○プラーナーヤーマ(呼吸法、調気法)
ヨーガの治療法の一つであり、安定したバランスを意識にもたらします。
プラーナーヤーマは多くの治療効果を持ち、創造性にも影響して、人生に喜びをもたらします。
ヨーガの治療法の一つであり、安定したバランスを意識にもたらします。
プラーナーヤーマは多くの治療効果を持ち、創造性にも影響して、人生に喜びをもたらします。
○マントラ(真言)
サンスクリット語で、ある種の音の振動やエネルギーを伝える単語や言葉を意味します。決められた形で繰り返し唱えれば、マントラのエネルギーを利用することができます。
サンスクリット語で、ある種の音の振動やエネルギーを伝える単語や言葉を意味します。決められた形で繰り返し唱えれば、マントラのエネルギーを利用することができます。
○瞑想
瞑想は、気付きと調和と自然の秩序を人生にもたらします。
瞑想は、気付きと調和と自然の秩序を人生にもたらします。
○マッサージ
マッサージは肉体のエネルギーの動きを扱う治療法です。太白ゴマ油がよく用いられています。
マッサージは肉体のエネルギーの動きを扱う治療法です。太白ゴマ油がよく用いられています。
■参考資料
『代替医療&統合医療イエローページ 西洋医学の限界を補う古くて新しい医療』 (著/上馬塲和夫、MNS)
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