【取材レポート】「ここで一緒に働きたいです」という声が、成果の一つの指標@みどりTo ゆかり GREEN&WORK SHOP
「仕事って、結局、その場その場での選択だよね」
そんな独り言を、自転車に乗って妙典橋を渡りながらつぶやいていました。
園芸が大好きで、みんなに「植物博士」と呼ばれていた少年が、草木を育てる仕事に就く。コーヒー好きが高じて独自に研究を重ね、ついにカフェをオープンさせる……などと話は進んでいかないんですよね、現実では。
自分が置かれた状況の中で、そのときにベストと思える選択をすることの繰り返しが仕事なのかもしれないと、取材帰りにふと思った次第です。
さて、本日、取材させていただいたのは、2018年1月にコミュニティカフェ「みどりTo ゆかり GREEN&WORK SHOP」をオープンさせた吉田啓助さんです。
吉田さんは、学生時代に都市計画に携わりたいと考え、都市緑化や外断熱事業に取り組む会社に就職。その会社で植栽事業を立ち上げ、現在は会社の仕事の一環でカフェの経営を行っています。
都市計画→植栽→カフェという、まさかの展開。
そんな吉田さんは「植物博士」少年だったわけではなく、また、カフェを始めると決めた段階で、吉田さんを含めたスタッフ全員でコーヒーをいれる研修を受けたそうなので、コーヒーマニアだったとも思えません。
どのような流れで、みどりTo ゆかりが誕生したのでしょうか? 詳しくは改めて紹介します。
ところで、みどりTo ゆかりがあるハイタウン塩浜は、1978年に施工した大規模な集合住宅です。
1955年頃から1970年代にかけての高度成長期に人口は増え、日本の住宅は不足していました。現在の70~80代の人にとって、その当時、マイホームはあこがれの的だったのです。
政府もニーズにこたえるべく、集合住宅を建設する政策を進めました。なかでも有名なのは、「多摩ニュータウン」です。
しかし、この熱狂的な「マイホームブーム」は、1973年に起きたオイルショックなどによって収束を迎えます。
そして30年以上が過ぎた今、「空き家問題」が深刻化しています。人口減少で、集合住宅も一軒家も余っているわけです。「多摩ニュータウンはゴーストタウン化の危機にさらされている」というウワサも立ちました。
これは、大規模に開発された多摩ニュータウンだけの問題はありません。
JR市川駅近辺にも、明らかに空き家とわかる一軒家があり、壁はつただらけ、庭は雑草や木々の枝が伸び放題で放置されています。まさに「荒れている」という印象です。
ハイタウン塩浜については、多摩ニュータウンと同様に、建物の老朽化と住民の高齢化が進んでいます。
しかし、住民の皆さんはハイタウン塩浜に愛着があり、ここを守っていきたいし、子育て世代の人に住んでほしいと思っているわけです。
そんなハイタウン塩浜の植栽管理を任された吉田さん。これがきっかけでハイタウン塩浜に入居したのですが、行政としてではなく、長年の住民としてでもなく、一企業人として空き家問題にどう関わっていくのか?
企業に所属している以上は利益を出していくことが大前提である一方で、老若男女を問わない、多様性のあるコミュニティをどうやって作っていくのか?
おそらく「これだ!」という正解はありません。しかし吉田さんは、評価はできると話していました。それが「このお店で働いてみたい」という声。
「『ここで働きたいです』と声をかけられるのが、とてもうれしいんです」
集客数や売上高といった数値化されるものだけでなく、「一緒に働きたい」という声もまた、コミュニティビジネスにおいての成果の指標になるのかもしれません。
また、「これだ!」と正解を決めて推し進めるのではなく、その場にいる人や状況に合わせて、そのときのベストを選んでいくことも、これからの働き方になるのかもしれません。
最後に、吉田さんがハイタウン塩浜に引っ越してきた理由の一つは「子育てがしやすい」ということでした。
ハイタウン塩浜の中の広場は車が入ってこないので、子どもたちだけでも安心して遊ばせられます。
そして敷地内にはスーパーやコンビニ、商店街、病院があるので、便利。
豊かな緑は、吉田さんが勤務する会社が管理をしています。
また、住民同士で顔と名前がわかっているため、不審者に対する目が厳しいともいえます。
さらに、「中古ですが、ちゃんと部屋が手入れもされていて、安いんですよ」と吉田さんが教えてくれました。
ちなみに吉田さんは、最初のお子さんが小学校に入学する前に転入してきて、現在では5人のお子さんがいるそうです。
みどりTo ゆかり GREEN&WORK SHOP
〒272-0127 千葉県市川市塩浜4丁目2 ハイタウン塩浜3号棟 105
そんな独り言を、自転車に乗って妙典橋を渡りながらつぶやいていました。
園芸が大好きで、みんなに「植物博士」と呼ばれていた少年が、草木を育てる仕事に就く。コーヒー好きが高じて独自に研究を重ね、ついにカフェをオープンさせる……などと話は進んでいかないんですよね、現実では。
自分が置かれた状況の中で、そのときにベストと思える選択をすることの繰り返しが仕事なのかもしれないと、取材帰りにふと思った次第です。
さて、本日、取材させていただいたのは、2018年1月にコミュニティカフェ「みどりTo ゆかり GREEN&WORK SHOP」をオープンさせた吉田啓助さんです。
吉田さん、そして取材に立ち会ってくれた星野明美さん、ありがとうございます! |
今日は小さいお子さんを連れたママがランチをしに来ていました |
吉田さんは、学生時代に都市計画に携わりたいと考え、都市緑化や外断熱事業に取り組む会社に就職。その会社で植栽事業を立ち上げ、現在は会社の仕事の一環でカフェの経営を行っています。
都市計画→植栽→カフェという、まさかの展開。
そんな吉田さんは「植物博士」少年だったわけではなく、また、カフェを始めると決めた段階で、吉田さんを含めたスタッフ全員でコーヒーをいれる研修を受けたそうなので、コーヒーマニアだったとも思えません。
どのような流れで、みどりTo ゆかりが誕生したのでしょうか? 詳しくは改めて紹介します。
ところで、みどりTo ゆかりがあるハイタウン塩浜は、1978年に施工した大規模な集合住宅です。
1955年頃から1970年代にかけての高度成長期に人口は増え、日本の住宅は不足していました。現在の70~80代の人にとって、その当時、マイホームはあこがれの的だったのです。
政府もニーズにこたえるべく、集合住宅を建設する政策を進めました。なかでも有名なのは、「多摩ニュータウン」です。
しかし、この熱狂的な「マイホームブーム」は、1973年に起きたオイルショックなどによって収束を迎えます。
そして30年以上が過ぎた今、「空き家問題」が深刻化しています。人口減少で、集合住宅も一軒家も余っているわけです。「多摩ニュータウンはゴーストタウン化の危機にさらされている」というウワサも立ちました。
これは、大規模に開発された多摩ニュータウンだけの問題はありません。
JR市川駅近辺にも、明らかに空き家とわかる一軒家があり、壁はつただらけ、庭は雑草や木々の枝が伸び放題で放置されています。まさに「荒れている」という印象です。
ハイタウン塩浜については、多摩ニュータウンと同様に、建物の老朽化と住民の高齢化が進んでいます。
しかし、住民の皆さんはハイタウン塩浜に愛着があり、ここを守っていきたいし、子育て世代の人に住んでほしいと思っているわけです。
そんなハイタウン塩浜の植栽管理を任された吉田さん。これがきっかけでハイタウン塩浜に入居したのですが、行政としてではなく、長年の住民としてでもなく、一企業人として空き家問題にどう関わっていくのか?
企業に所属している以上は利益を出していくことが大前提である一方で、老若男女を問わない、多様性のあるコミュニティをどうやって作っていくのか?
おそらく「これだ!」という正解はありません。しかし吉田さんは、評価はできると話していました。それが「このお店で働いてみたい」という声。
「『ここで働きたいです』と声をかけられるのが、とてもうれしいんです」
集客数や売上高といった数値化されるものだけでなく、「一緒に働きたい」という声もまた、コミュニティビジネスにおいての成果の指標になるのかもしれません。
また、「これだ!」と正解を決めて推し進めるのではなく、その場にいる人や状況に合わせて、そのときのベストを選んでいくことも、これからの働き方になるのかもしれません。
いすやソファはDIY |
カウンターを支える柱に、伐採された枝を利用 |
新たに「勝手にミシンが使えるスペース」も! |
最後に、吉田さんがハイタウン塩浜に引っ越してきた理由の一つは「子育てがしやすい」ということでした。
ハイタウン塩浜の中の広場は車が入ってこないので、子どもたちだけでも安心して遊ばせられます。
そして敷地内にはスーパーやコンビニ、商店街、病院があるので、便利。
豊かな緑は、吉田さんが勤務する会社が管理をしています。
また、住民同士で顔と名前がわかっているため、不審者に対する目が厳しいともいえます。
さらに、「中古ですが、ちゃんと部屋が手入れもされていて、安いんですよ」と吉田さんが教えてくれました。
ちなみに吉田さんは、最初のお子さんが小学校に入学する前に転入してきて、現在では5人のお子さんがいるそうです。
みどりTo ゆかり GREEN&WORK SHOP
〒272-0127 千葉県市川市塩浜4丁目2 ハイタウン塩浜3号棟 105
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