人口の増減で一喜一憂する時代はとっくに過ぎたんじゃないのか問題

  日本では総人口が減っています。
 なかでも15歳未満の子どもの数が(年少人口)減っています。2026(令和8)年9月の時点では1313万人で、総人口に占める割合が10.7%でした。1982(昭和57)年から45年連続の減少となり、過去最少となりました。
年少人口の推移 出典:統計トピックスNo.148


 一方、65歳以上の高齢者は3624万人で、前年よりも2万人増えました。総人口に占める割合は29.6%。ざっくり計算すれば、子どもの3倍の高齢者が存在するのが、今の日本ということです。
 2050年には、高齢者の割合が37.1%になると見込まれています。
高齢人口の推移 出典:統計トピックスNo.149


 統計局のデータから、日本の総人口が減り続けることは明らかなのですが、なぜか地方自治体の多くは人口増加を目標に掲げています。千葉県市川市では、2026(令和8)年4月に人口が50万人に達したということで、市役所はお祝いムードだったようです。
出典:市川市X

 特に子育て世代に関しては、独自の経済的支援で地方自治体が争奪戦を繰り広げてきました。ある自治体が「○○を無償化!」と支援をアピールすると、近隣の自治体も横並びで同じ支援を始めることは珍しくありません。

 こうした人口の奪い合いが、「人口水増し事件」を生んだのでしょう。富山市は、2025(令和7)年の国勢調査で人口を水増しして報告した統計法違反の疑いがあるとして、富山県警から家宅捜索を受けました。
 発生した原因や動機はこれから究明されるのでしょうが、「人口減=悪」と見なしたり、人口減少による地方交付税の縮小を回避しようとしたりしたと考えられています。

 過去にも、人口水増し問題は発生していました。
 1970年代初頭の北海道羽幌町の人口水増し事件では、統計法違反等で当時の町長ら3人が起訴されました。
 また、2013年の愛知県東浦町の人口水増し事件では、現行法において初めて逮捕・起訴され、前副町長の懲役4カ月(執行猶予2年)の有罪判決が確定しました。

 人口水増し事件の背景には、地方交付税の計算方法など、国の制度の問題がありそうです。
 同時に、短期的な人口の増減を勝ち・負けで私たちが判断するのは、やめるべき時期がとっくに来ているということです。


■主な参考資料
統計トピックスNo.149 

富山市 国勢調査で人口水増し疑惑 担当幹部を異動 地方交付金約6千万円多く受領

子育て支援拡充の自治体、人口増で明暗 「奪い合い」に「反省」も

人口減少社会と地方交付税

統計法違反で懲役刑が適用された過去の事例について調べたい。
 また1970年代初頭の北海道羽幌町の人口水増し事件では、統計法違反等で当時の町長ら3人が起訴されたが、判決では虚偽有印公文書作成罪が適用され懲役刑(執行猶予付き)とされたケースがある(資料1)。2013年の愛知県東浦町の人口水増し事件では、現行法において初めて逮捕・起訴され前副町長の懲役4ヶ月(執行猶予2年)の有罪判決が確定している。



1位 モナコでは人口の36.17%が65歳以上
2位 日本では人口の29.78%が65歳以上
3位 イタリアでは人口の24.62%が65歳以上
4位 ポルトガルでは人口の24.53%が65歳以上
5位 ギリシャでは人口の23.94%が65歳以上
6位 フィンランドでは人口の23.90%が65歳以上
7位 ドイツでは人口の23.20%が65歳以上
8位 クロアチアでは人口の23.19%が65歳以上
9位 セルビアでは人口の22.69%が65歳以上
10位 サンマリノでは人口の22.41%が65歳以上


モナコの民間部門の労働者のうち、実際に公国に住んでいるのは10人に1人だけだ。
モナコの統計機関であるIMSEEの最新のデータによると、民間部門の労働者のうちモナコ国内に住んでいるのはわずか10%、約5,975人に過ぎない。大多数は他の地域から毎日通勤している。


イタリア移民制度の崩壊から学べること
イタリアの失敗は、移民政策の理想と現実のギャップを警告する鏡である。日本は制度設計と行政能力の両輪で慎重な準備を進め、建前、実態、不法連鎖の悪循環を回避すべきだ。
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