市川みらいアーカイブ  0円地域アーカイブプロジェクト発進その1

アーカイブ作りは、地味な割に、とにかくお金がかかる

 さまざまなアーカイブを調べられるだけ調べて得た結論です。

 最大の問題が、ランニングコスト。国などが推奨している方式のアーカイブだと、民間ではとてもじゃありませんが、無理です。

 そのようなわけで、個人レベルで運営しているストックフォトなどの仕組みも調べ、「日本で最も使われている」といっても過言ではないストックイラストに準じる形を市川みらいアーカイブでは取ることにしました。
 また、驚きとともに影響を受けた、嵐田大志さんの写真整理術。


 さらに、近年の紙媒体の状況も鑑みました(詳細は、本文末尾)。


 長い調査の結果、とうとう、作業量以外は0円、そうです、0円で、地域アーカイブプロジェクトがスタートしました。


https://sites.google.com/view/ichiaka/




 市川みらいアーカイブの目的は「5年後、10年後のまちづくりに必要となる資料の確保」です。そのようなわけで、格納している(表には出さない)データファイルは高度成長期で分割することにしました。現在のまちが出来上がってきたのが高度成長期以降だからです。市川市だと手児奈伝説などが有名ですが、現在のまちの形成と手児奈とは無関係です。古い情報には魅力を感じるものの、「5年後、10年後のまちづくりに必要となる資料」という観点からは外れます。そのため、市川みらいアーカイブでは高度成長期以降の資料を重点的に集めていきます

 また、国勢調査や経済センサス(事業所・企業統計調査)、商業統計調査などの公的統計データの加工は、行政や調査会社などがすでに行っていること、そしてAIの得意分野であることから、単純にグラフ化できないナラティブな情報の集積を市川みらいアーカイブは行います(人力)。

 Webマガジン『クラナリ』は「暮らしと生業」を中心に運営を継続し、クラナリ編集人は、市川みらいアーカイブのスタッフの一人として今後も地域情報の集積に努めます。



※紙媒体の状況

「本の朋友堂」

 市川市内の地図看板を撮影していると、「駅前の本屋さん」がおなじみだった時代があったのだと、しみじみ感じます。

 個人経営の小さな書店が成り立っていた時代がありましたが、出版不況とともにどんどん減っていきました。チェーン店ではない「駅前の本屋さん」も、ほとんど見かけません。
 
 有隣堂の松信健太郎社長執行役員の談話(概要)によると、雑誌の流通量はピーク時の17.1%にまで減少したとのこと。

社会のデジタルシフトに伴い、本(書籍・雑誌)の販売が減少している。電子書籍はスマートフォンの普及に伴い市場が拡大しているが、多くはコミック販売であり、書籍・雑誌は、紙の本同様に苦戦している。特に紙の雑誌は、ピーク時の17.1%にまで流通量が減少し、出版社・取次・書店のビジネスモデルに変化が生じている。

大手総合出版社では、主力であった書籍・雑誌販売から、知的財産(IP)や版権、海外展開による事業収入へと大きくシフトし、それらが売上の6~7割を占めるなど、ビジネスモデルが大きく変わった。

一方、書店は、雑誌への過度な依存や、「委託・再販制度」に頼るビジネスモデルから脱却ができずに苦戦している。書店数は、08年の約1万7000店から、23年には約1万店、図書カードリーダーの設置数で見ると約6500店まで減少している。

 トヨタ自動車の売上高が47兆円に上るのに対し、出版(紙)は業界全体の販売金額は1兆円規模です。

2024 年の紙の出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は前年比 5.2%減の 1 兆 56 億円。かろうじて 1 兆円を上回りました。内訳は書籍が同 4.2%減の 5,937 億円、雑誌が同 6.8%減の 4,119 億円。書店の閉店が続き、書籍・雑誌ともに依然厳しい数字となりましたが、店頭売り上げは書籍が前年を上回るなど、既存店では回復傾向が見られます。



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