京成電鉄菅野駅の周辺、そもそもどのように進んでいたのか問題

 2023年10月19日に「京成電鉄菅野駅の周辺には桃林を再現させたほうがいいんじゃないか問題」を記事にしました。当時の状況はこちら。

草がボーボー

 2025年1月8日現在の南口はこちら。
草がボーボー

あれ? 相変わらずほったらかし??

 北口は、整備作業が始まったばかりのようでした。



 ですから、1年以上も整備がストップしていたようです。その間、何が行われていたのでしょうか?
 京成電鉄菅野駅の周辺の状況について検索すると、市川市のページがヒットしました。


 「引き続き令和6年度末までの整備に向けて必要な手続きを進めてまいりますので、今後ともご理解・ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。」と書かれています。なるほどなるほど、もうすぐ整備が終わるわけですね。

 こちらのサイトに「令和5年6月2日に第3回説明会を開催しました。」とあり、当日議事録(PDF)がアップされていたので、目を通したところ、びっくり。ふ、紛糾していませんか……?

 そんなわけで、そもそも京成電鉄菅野駅の周辺での外環の工事がどのように進んでいたのかを調べることにしました。

外環(東京外かく環状道路)は、都心から約15キロメートルを環状に連絡する全長約85キロメートルの高規格幹線道路です。高速道路(東京外環自動車道)と国道298号(和光北インターチェンジ~高谷ジャンクション間)で構成されています。

外環のサイトより

1966(昭和41年)7月 外環(東京外かく環状道路)に関する都市計画決定(当時は佐藤榮作首相)
1969(昭和44年)5月 市川市区間都市計画決定(建設省告示第3004号)
1972(昭和47年)10月 市川市議会(当時は鈴木忠兵衛市長)で「凍結再検討」を決議
1987(昭和62)年11月 千葉県知事(当時は沼田武知事)が市川市長(当時は高橋国雄市長)に建設省の「再検討案」を提示
1993(平成5)年6月 市川市長(当時は高橋国雄市長)が千葉県知事(当時は沼田武知事)に対して9分類22項目の条件を付して受け入れ回答
1994(平成6)年11月 市川市内6会場で「外環道路とそれに関連する都市計画変更についての説明会」を開催→「市内6会場」に菅野地域が入っていたかは不明
2000(平成12)年1月~2001(平成13)年10月 国土交通省関東地方整備局が市川市内で設計・用地説明会を開催
説明会用資料より

2008(平成20)年9月 土地収用法第15条14に基づく説明会を実施
2009(平成21)年5月 外環の整備計画決定

2009(平成21)年11月 民主党政権による事業仕分けスタート

2010(平成22)年6月 京成菅野アンダーパス工事着工
2013(平成25)年7~8月 市内5カ所で説明会の開催
2014(平成26)年9月 用地(本線部)取得完了
2018(平成30)年3月 京成菅野アンダーパス工事竣工  
2018(平成30)年6月 東京外環自動車道(三郷南IC~高谷JCT)開通
2022(令和4)年11月 菅野駅前ロータリーの施設計画に関する説明会(第1回)開催→SNSで問題が取り上げられる(「国交省とNXCO〈原文ママ〉の計画では、 北口ロータリー内も、南口と同様に緑地として整備される計画だった」)
2023(令和5)年2月 菅野駅前ロータリーの施設計画に関する説明会(第2回)開催
2023(令和5)年6月 菅野駅前ロータリーの施設計画に関する説明会(第3回)開催
市川市「菅野駅前ロータリーの施設計画」より


 2000年の時点で国土交通省、2022年以降は市川市が説明会を実施しているわけで、説明者が変更している上、20年以上の空白期間があります。もちろん、市川市は自治会などから意見聴取をしてきたのでしょうが、「自治会=地元住民全員の声の集約」というのは現実的ではありません。総務省のサイトでは、自治会について次のように説明しています。『クラナリ』編集人も自治会の班長を何度かやりましたが、自治会費は集めたものの、意見を集めたことはありません。

○ 町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体
○ 区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理等、良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行っている

 
 以上のことから、菅野駅前ロータリーについては住民同士でも意見が対立し、結果として整備がストップしていたのだと考えられます。


公共事業における社会的合意が形成されているかどうかは本質的に考えて、自然に生まれてくるものではない。


 「腹を割っていろいろと意見を出し合っていたら、自然と話がまとまっていって……」というのは、現実的ではなさそうです。


■参考資料
国土交通省 東京外郭環状国道事務所

国土交通省関東地方整備局 市川市内で設計・用地説明会を開催

市川市 外環道路受け入れから開通までの主な経緯

菅野駅に関するTwitter(現在はX)の投稿

菅野駅の駐輪場整備は、現在進行中の菅野駅駅舎改築工事に付随するかねてからの懸案事案でしたが、駅北口ロータリー内に、緑地をつぶして市が駐車場を建設する話はまったく寝耳に水の話です!(S)

郵便ポストに「菅野駅前ロータリー施設計画第2回説明会のお知らせ」が入っていたのでWebサイトの資料を熟読🤔

初期計画がツッコミどころ万歳で、コレもし説明会せずに工事着工してたら大変な事になってたと思う😩

近隣住民の意見はご尤も👍

一方、南側ロータリーについては、市側が提示した取りまとめ案は、タクシープールを設置して欲しいという平田町会の意見を尊重して立案されたものです。(S) 

今回は平田町会エリアからの参加者がいなかったようで、分からず仕舞いに終わりました。 そこで、平田自治会エリアにお住まいの方はぜひ、市HP内の当該問題ページに意見とその理由を送って頂き、判断材料が得られるようにして欲しいと願います!

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