これからの市川市民として 「ただ老いる町」「新陳代謝する町」の話がしたい その6 市川駅南北エリアの地価を比較

 千葉県市川市の隣である東京都の財務局が、地価の調査結果を発表しています。
令和6年東京都基準地価格より

 興味深いのは、東京メトロ東西線西葛西駅とJR平井駅。どちらも江戸川区の駅で、東京からの距離はほとんど変わらないのですが、西葛西駅が559で平井駅が414と、1平方メートル当たりの平均価格(単位千円)は大きく異なるのです。西葛西駅が平井駅よりも人気だと考えられます。
 ちなみに、平井駅よりも東京から離れている(乗車時間は5~6分)小岩駅のほうが、沿線の地価は高くなっています。そのため、商店街が発達している小岩駅周辺のほうが、人気が高いと考えられます。東京からの距離以外の要素も、地価に影響を与えています。

 市川市内だと、どうでしょうか。国土交通省の不動産情報ライブラリで調べてみました。

 最高額については、東京メトロ東西線だと、南行徳で400,000(円/㎡)、妙典で426,000(円/㎡)。
 JRだと、真間で423,000(円/m²)、八幡で436,000(円/㎡)となっています。
  目で確認した限りでは(節穴だったらスミマセン)、最高額は菅野の478,000(円/m²)です。
 市川市内については、東京メトロ東西線もJRも沿線の地価はさほど変わらないようです。

 それでは、成熟のフロントランナーである市川駅南北エリアの中で比較してみましょう。これも目で確認しているので、節穴でしたらスミマセン。 

町名 国土交通省地価公示(標準地)

国府台 166,000(円/m²)
真間 真間川より北176,000(円/㎡)、真間川より南423,000(円/m²)
市川南 390,000(円/㎡)
新田 415,000(円/㎡)
平田 393,000(円/㎡)
大洲 産業道路より北320,000(円/㎡)、産業道路より南250,000(円/㎡)
大和田 315,000(円/㎡)
東大和田 393,000(円/㎡)
稲荷木 286,000(円/㎡)、227,000(円/㎡)
不動産情報ライブラリより



 駅から離れたところほど地価が安い傾向という、非常にわかりやすい結果が出ました。「国府台は、駅から遠い割に地価が高い」とはいえないようですが、空き家率は14%と高くなっています。平井駅のケースのように、周辺に商店が少ないことも関係しているのでしょうか。

 なお、町名が「真間」「大洲」の地域の中でも、地価に差があります。地価が低くなっているのは、真間の真間川より北側エリアと、大洲の産業道路より南側(江戸川方面)のエリアの価格です。
 真間川より北側エリアは、「一般住宅、アパート、畑等が混在する住宅地域」で、市川駅まで徒歩25分、市川真間駅まで徒歩22分。
 大洲の産業道路より南側のエリアは「小規模一般住宅、アパート等が混在する住宅地域」で、市川駅まで徒歩26分。
 同じ町名でも、置かれている高齢化率や空き家率には濃淡がある可能性が考えられます。

 ちなみに、市川市全体の地価の変動は、東京都とリンクしているようです。
東京都の平均価格推移(令和6年東京都基準地価格より)
市川市の価格推移(土地価格ドットコムより)

 東京都は1990(平成2)年、市川市は1992(平成4)年頃に地価がピークを迎え、どちらも急落した後、東京都は2008(平成20)年、市川市は2009(平成21)年頃に小さな山が来ています。

 人口については、日本は2008(平成20)年に1億2,808万人をピークに減少に転じ、東京都は2025(令和7)年にピークが来ると推測されています(区部は2030年)。
 東京都の人が膨張する形で市川市の人口は増えてきました。2030年を境に東京都の区部で人口が減少すると、今度は収縮する形で市川市の人口は減り、JR総武線沿線については平井駅から小岩駅まで大規模な再開発が進んでいるため、人口争奪戦に入るのかもしれません。
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