セラピストと、カウンセラー・コンサルタント・アドバイザーの違いとは?
「カウンセラー」「コンサルタント」「アドバイザー」が肩書きに入っている人物が少なくありません。これら3つにどのような違いがあるのか、検討しました。
●counsel 他動詞 助言する →カウンセラーは、相談しながら助言をする
●consult 他動詞 意見を聞く、診察してもらう →コンサルタントは、意見を述べたり提案したりする
●advise 他動詞 忠告する →アドバイザーは、間違えや欠点を指摘しながら、注意を与える
以上のようなニュアンスが含まれるので、相手への強制力が強くなるのは、カウンセラー < コンサルタント < アドバイザー の順になります。
アドバイザーより強制力が強い肩書きとして、「調教師」という意味も持つ「トレーナー」があります。
情報誌やインターネットなどを見たところ、〇〇カウンセラーという民間資格はひどくたくさんありました。さまざまな分野でカウンセラーがいるわけです。
最も多いのは、心理系や人間関係。そのほかに、次のようなカウンセラーが活躍しています。
■家事など
収納、整理関係のカウンセラー
家計関係のカウンセラー
■家族など
介護関係のカウンセラー
結婚・婚活関係のカウンセラー
終活関係のカウンセラー
■健康など
骨盤矯正関係のカウンセラー
更年期障害関係のカウンセラー
■その他
絵本関係のカウンセラー
野外活動関係のカウンセラー
※「〇〇カウンセラー」と商標登録されているケースが多いので要注意
なお、「セラピスト(therapist)」には「治療家」という意味が含まれます。「治す」わけですから、カウンセラーやコンサルタント、アドバイザー、トレーナーとは違って、施術者(やってあげる人)⇔被施術者(やってもらう人)の違いがはっきりしています。
セラピスト
〇国家資格(公的に認められている資格)
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
公認心理師
あん摩マッサージ指圧師
鍼灸師(はり師、きゅう師)
柔道整復師
〇国家資格ではないもの
臨床心理士
アロマセラピスト
リフレクソロジスト
整体師
カイロプラクター
スポーツトレーナー
「相談相手」であるカウンセラーという肩書きが多用されているのは、相手への強制力が弱く、穏やかな印象があるからなのかもしれません。
ところで、ご存じの方も多いでしょうが、精神科医が心の病や心身症に侵されるケースは少なくありません。
また、クライアントの悩みを聞きながら自分の劣等感を慰めているであろう「なんちゃってセラピスト」に出くわすこともあります。「私、ボランティアでカウンセリングをやっているんですけど」と話す女性の中には、素人の私ですら「この人は自分の妹に劣等感を抱き続けている」「同情する振りをしてクライアントを下に見ているな」などとわかるケースがありました。もちろん、ごく一部の人です。
およそ30年にわたる取材生活で、「心の問題を扱う人は、自分自身が問題を抱えやすい環境に置かれているかもしれない」「自分自身が問題を抱えているから、心の問題を扱いたがっているようだ」と感じています。
セラピストの心の健康を守るために、セラピスト同士がセラピーを行ったり、情報交換したりする場があってもいいのではないかと考えたことがありました。
私は単なるフリーエディターですが、万能なセラピーなどなく、個人によって合う・合わないが大きいと考えています(あくまでも個人的に)。クライアント側は精神的な余裕もなく、学派もわからないままに自分に合わないセラピーを受けているケースもあるのではないでしょうか。ですから、手法などを整理して、クライアントが必要とするセラピーを選びやすい状態にしておきます。
上記の内容をまとめると、次のとおりです。
〇セラピスト側のメリット
自分もセラピーが受けられるさまざまな手法の情報交換が行える
質を向上させる(「なんちゃって」状態の改善)
〇セラピスト側のデメリット
自分の手法について批評される(特に「なんちゃってセラピスト」の場合)情報交換の際に情報が流出する
クライアントの奪い合いが起こる可能性がある
〇クライアント側のメリット
さまざまな手法を知ったうえで、カウンセリングが受けられる「なんちゃってセラピスト」に出くわさずに済む
〇クライアント側のデメリット
相談相手が定まらなくなって「セラピー・ショッピング」に陥る可能性があるこれも個人的な経験によるものですが、大学教授などと肩書きのある人が、素晴らしいカウンセリングを行っているわけではありません。
「おむすび」がセラピー効果を発揮して気持ちが救われる人がたくさんいたこともあり、肩書きも資格も先生・生徒も学歴も「癒し」を与える力量にはあまり関係ないようです。
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