人体という水中国家の構成と単位マニュアル

   フリーランスの編集者・ライターである『クラナリ』編集人(バリバリの文系)には、腎臓など、健康に関する記事や一般書籍に携わる機会が多々あります。
 表記については『記者ハンドブック』にのっとっていますが、このハンドブックには健康系の表記はわずか。
 きっと医学専門書の出版社だと、マニュアルが作られているのでしょう。ぜひとも欲しいのですが、当たり前ですが、一介のフリーランスにはくれないと思います。
 一般書の出版社にはマニュアルなど存在しないので、書籍の仕事をするたびに調べて、「表記基準」を作成していました。これが面倒なので、『クラナリ』上でまとめ、指摘などを受けたら修正する形を取ることにしました。
 なお、煩雑になるので「約」は省略します。

 『クラナリ』編集人の方針としては、「ルールはちゃんと守るか、盛大に破るか」。
 この「ルール」については、由緒ある学会など、権威というものをかなり重んじます。そう、『クラナリ』編集人は権威主義者なのです。
 ただ、医師や研究者にもいろいろな人がいて、「権威なんてクソくらえ」というケースも珍しくありません。また、東洋医学に、西洋医学のルールを押し付けてくるのも、アホというものです。ですから、「クソくらえならば、それならそれで、新しいルールをちゃんと作ってからやりましょうね」と進めることになります。

 アウトなのは「うっかりしちゃって、ルールを守らなかった」というケース。権威にたてつくつもりもないのに、ルールを破っているという内容の本は、商品の価値がないですよね。「なんだ素人かよ、ケッ」という感じでしょうか。

 また、ルールは見直されて、変わっていくことも珍しくありません。
 ルール変更も含めた時流の変化も捉えながら、『クラナリ』版マニュアルを作成していきます。
 日々、このページは改変を加えます。それに伴い、『クラナリ』の記事も修正します。

単位

1μm=1000分の1mm
1nm=100万分の1mm=1000分の1μm
※μ(マイクロ)はn(ナノ)の1000倍

人体を構成する要素

体内で最も多いのは水分で、年齢・性別で割合が変化(イラスト/イラストボックス


 人体も細胞も、水で満たされた水中国家を形成しています。
水中国家(画像/Image Creator


 水、つまり細胞内液と細胞外液が、人体の60%を占めています(成人男性の場合)。

人体を構成する元素

原子数の多い順に並べた、宇宙と地殻、海水、人体の元素組成(小林憲正『宇宙からみた生命史』〔ちくま新書〕を改変)(「母なる海」は都市伝説か?より)

 ちなみに、地球上の空気は、窒素(容積比 78.1%)と酸素 (21.0%)、そして水蒸気、微量気体で構成されています。



体液

血液




血漿 ※項の初出でルビを振る ×血しょう
タンパク ×たんぱく、蛋白

血球

単球 15~17μm ※血管の外に移動ができて、血管外でマクロファージになる
白血球(好中球、好酸球、好塩基球) 直径10~15μm ※血管の外に移動できる
リンパ球 直径7~17μm ※血管の外に移動できる
赤血球 直径7~8μm、厚さ2μm ※血球の大半を占め、血液1㎣当たり成人男子で500万個、成人女子で450万個、幼児で690万個ある
血小板 直径2~4μm

脂肪(リポタンパク質)

カイロミクロン 直径100nm以上
VLDL 直径30~70 nm
IDL 直径25~35 nm
LDL 直径18~25nm
HDL 直径5~12nm

タンパク質

アルブミン 直径8nm ※血漿の含まれるタンパク質の60%を占める
免疫グロブリン 直径不明 ※γ・β・αがある

糖質

グルコース分子 0.6nm ※水に溶けやすい


血管

心臓から送り出された血液が通るのが動脈、心臓に戻る血液が通るのが静脈です。

動脈・静脈(看護roo!より、一部改変)
 
最も太い動脈(大動脈)、最も太い静脈(大静脈) 直径25mm
腕の動脈 男性 直径4.5mm 女性3.5mm ※鉛筆の芯の太さ
細動脈 直径0.2~0.5mm ※シャープペンシルの芯の太さ
毛細血管 直径は0.005~0.02mm(5~20μm) 平均 0.008mm(8μm)※産毛の太さ

全身の血管の長さ 動脈・静脈・毛細血管をつなぐと10万㎞(地球2周半) 
毛細血管の平均の長さ 1mm
毛細血管の割合 98%


腎臓

 心臓から全身に送り出される血液の1/5~1/4(20~25%)が、腎臓に送られます。
 腎臓は2つ合わせて300g程度で、体重の200分の1の重さです。

腎臓(看護roo!より、一部改変)


ボウマン嚢 ※項の初出で「のう」とルビを振る ×ボーマン嚢
※腎臓に関する用語は、日本腎臓学会https://jsn.or.jp/のサイトに準ずる

心臓から腎臓に送られてくる血液の1日当たりの量 1440ℓ、1分当たり 1ℓ

腎臓1個当たりの糸球体(20代) 100万個 ※人間1人当たり200万個 ※加齢とともに減り、個人差もあるが70代で半分に

糸球体が1日に濾過する血液の量=原尿生成量 150ℓ弱 ※一般家庭の浴槽の4分の3杯分(浴槽は200ℓ)、ドラム缶の4分の3本分(ドラム缶も200ℓ)

原尿が再吸収される割合 99%

1日の尿量 1.5ℓ
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