だるい・ぼんやりする・頭が重いといった「なんとなく不調」は軽い脱水のサイン! 水分補給のススメ

  頭が少し重い感じがする。
 わけもなくイライラする。
 ぼんやりして、眠気が取れない。
 動けないほどではないけど、だるい。
 吐き気とまではいかないものの、ちょっと気持ちが悪い。


 こうした「なんとなく不調」の原因は、軽い脱水かもしれません。

 ですから、「なんとなく不調」を感じていたら、試しに経口補水液(ORS)を飲んでみるといいでしょう。「すぐにだるさが取れた」という報告もありました。

 経口補水液は自宅でも作ることができます。

1リットルの水に20~40gの砂糖と食塩3gを溶かせば自家製ORSが作成できることは覚えておきたい

 https://www.wakodo.co.jp/ikuji/kankeisha/report/pdf/baby11.pdf

photo/Arnie Watkins

緑茶やコーヒーは
脱水を悪化させる

 脱水とは体液が失われ、体に不可欠な水分と電解質が不足している状態です。暑くなってくると、脱水で救急搬送される人が増えます。
 どうして緊急搬送されるのかというと、本人に「水分が不足している」という感覚が乏しいからです。
 「なんとなく頭が痛いけど、まあ、いいか」「ボーッとするのは寝不足かな」などと脱水に気づかない状態のままで過ごし、気を失って倒れるなど本格的な脱水症状が出るまでほったらかしにされがちなのです。

 多くの医師が、「意識していないと、水分摂取を忘れてしまいがちだ」と指摘していました。

 また、私たちは普段の生活で、どんな飲み物を口にしているでしょうか。
 おそらく、自動販売機やカフェ、給茶機などの、緑茶やコーヒーでしょう。このようなカフェインを含む飲み物は、利水作用が脱水を悪化させてしまいます。


 特に女性の場合、月経(生理)によって水分が失われると産婦人科の駒形依子医師は話していました。月経血として、水分が排泄されるからです。血液の約90%は水分。血液が体から出ていくということは、水分が出ていくということに相当します。
 授乳中についても、母乳から水分が失われ、それが子育て期の女性の不調を招いているそうです。


こまめに飲むことが
ポイント

 私たちが口から飲んだ水分は、胃を通過して、腸管(小腸、大腸)で吸収されています。そして腸管から血管の中に取り込まれ、血液・体液となって循環しているのです。

 ただ、腸管での吸収速度は、どんな水分なのかによって異なります。水分に含まれる塩分(ナトリウムイオン、Na)と糖分が分子レベルで1対1のときに、腸からの吸収が速いことがわかっています。
 そのため、脱水が進んだ状態の人には、塩分と糖分がバランスよく含まれている経口補水液を与えるのです。


 腸管で一度に吸収できる水分量には限りがあるため、水分を摂取するときは一度に大量に飲むのではなく、こまめに飲むのがポイント。


 関西医科大学小児科の金子一成教授のデータでは、スポーツ飲料の吸収速度が水の半分以下と、かなり遅くなっています。スポーツ飲料の糖質が影響しているのでしょうか。

乳幼児の経口補水療法より

 水分補給は水で。

 また、「なんとなく不調」を速やかに解消したいときには、経口補水液を飲むのもいいでしょう。
 経口補水液にもさまざまな種類がありますが、駒形医師によると「飲んでおいしく感じる」を目安に選ぶといいとのこと。体にとって不足しているものを口にすると、私たちは「おいしい」と感じるのだそうです。

■参考資料

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