市川駅近 三大立ち食いそばをコンプリート

 調べれば調べるほど、立ち食いそばの世界は奥深いと感じています。深いというより、底なし?
 立ち食いそばを愛してやまない人々の存在を知り、「世界は広い」と改めて実感したのでした。

 そして先日、SNSで「JR市川駅近くにある3軒の立ち食いそば店には、それぞれにコアなファンがついている」という情報をもらいました。ならば行かねばと、「鈴屋」「せね屋」「文殊」に足を運んだのでした。

※せね屋は2022年12月末に閉店

〇鈴屋

 JR市川駅直結のI-linkタウンイースト2階にある鈴家。カウンター席だけのそば・うどん屋です。
 写真はかけそば280円+ゲソ天300円。食券を出して2~3分で提供。
 つゆは薄味で、だしがしっかり。そばは、やわい。自分にはやわ過ぎかな……
 ゲソ天は味濃いめで、ボリューム感が!


 こちらは、天ぷらのテイクアウトをやっていて、キッチンペーパーで包んでビニールに入れるという簡易包装。たくさん買うとおまけしてくれたのだそうです。

〇せね屋

 JR市川駅直結のI-linkタウンウエスト2階にあるせね家。カウンター席だけのそば・うどん屋で、イーストにある鈴屋と同様、イスがあるのに「立ち食いそば店」とネットでは分類されています。
 写真はかき揚げ320円+かけそば300円。食券を出して5分ほどで提供。
 揚げたてのかき揚げが別皿で提供されました。


 生そばをゆでているだけに、そばの弾力が楽しめて非常においしいですね。自分好みです。

 つゆについては、かつおだし特有の酸味をほんのりと感じられ、そばとのマッチングが非常によいですね。
 かき揚げが、サクサクッとして、なんとも軽い! 上品!

 一気に食べ終わって店を出た後、「せね家の『せね』ってなんだろう?」と疑問がわいてきました。


〇文殊

 JR総武線の高架下にある、やはりイスがあるのに「立ち食いそば店」の文殊。
 こちらは本店が両国駅前にあり、雑誌など数々のメディアに取り上げられているようです。店内には雑誌の記事がぎっしりと張られていました。
 「文殊 両国本店」は1995年創業。「三人寄れば文殊の知恵」が店名の由来なのだそうです。
 市川店については、実は以前に同じ場所にJR直営のそば店があったそうです。それが撤退した後、文殊に声がかかり、今に至るのだそうです。

 写真はかき揚げそば390円。食券を出して5分ほどで提供。

 第一印象は、「麺が細い!」。駅近3店の中で、そばは最も細いと思います。ゆでたそばを水で絞めてからの提供。
 かき揚げについては揚げて置いてあるもの載せられたのですが、えび天などは注文を受けてから揚げていました。
 つゆは、『ちょっとそばでも』には「甘味の少ない醤油の利いたタイプ」と書かれていたものの、3店の中で最も甘いという印象でした。



 生そばやトッピング(天ぷらなど)のテイクアウトができるそうです。

 こうして立ち食いそば屋3軒をコンプリートしたわけですが、そばもつゆも、それぞれで個性が立っていました。コアなファンがつくのもうなずけます。
 また、そばののど越しと、麺としてのコシとは反比例するのだと、あくまでも個人的に感じました。あまりかまなくても、スルスルっとのみ込んでいけるのは鈴屋のそばで、まさにのど越しの麺。
 自分は麺としてのコシを欲しがるタイプなので、せね家のそばがタイプでした。

 ちなみに、富士そばについては、雑誌編集者時代にいろいろな駅の近くの店舗で、よくお世話になっていました。市川駅近辺では比較的新しいので、三大立ち食いそばには入らないようですね。
 富士そば市川店はテーブル席もあり、家族連れや女性一人でも入りやすい、新スタイルのお店。
 ただ、イスどころかテーブルがあっても、立ち食いそば店なんですよね、私たちにとっては。

■参考資料
駅ナカ戦略で飲食戦国時代を勝ち抜く 立ち食いそばチェーン「文殊」快進撃のワケ【東京ソバット団】
https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/sobattodan/18-00009

『ちょっとそばでも-大衆そば・立ち食いそばの系譜』著/坂崎 仁紀  廣済堂出版

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