数字で見てみる  外国人問題と将来を不安視している私たちと

 少子高齢化が進む日本。高度成長期に整備された水道管や道路といった道路が老朽化するにもかかわらず、財政は細ると予想されています。

 今の日本で明るい未来を思い描ける人は、どのくらいいるのでしょうか。

 そんなことを考えている自分(中高年)も、当然、悲観的に将来を思い描いています。
 暗い展望や疑心暗鬼が、もしかしたら、2025(令和7)年以降の外国人問題を招いているかもしれません。もちろん、違う可能性もありますが。

マスジド・ハラームのカアバと巡礼者たち(画像出典:パブリックドメインQ



市川市公園でイスラム教徒の礼拝、住民懸念広がる
最終更新: 
2025年12月30日
千葉県市川市の行徳地区公園で、27日頃に投稿された動画に映った金曜礼拝のような集団祈りが話題に。近くのヒラ・マスジド行徳モスクから参加者が溢れた可能性があり、SNSでは「子供の遊び場を占拠」との声が相次ぎました。一方、ムスリム当事者のMOHA氏は「毎年市に許可を取ったイード礼拝で、地元育ちの自分も通った公園」と反論。市川市のルールでは団体使用に事前申請が必要ですが、許可の有無は不明で議論が続いています。


 NHKの記事「“わからない”が恐怖に… 御徒町のモスクから見えてきたのは」でも指摘されているのですが、2025(令和7)年になって急に外国人問題が注目されるようになっています。千葉県市川市については、1997(平成9)年にモスク、行徳ヒラー・マスジド(ヒラー・モスク、マスジド・ヒラー・ギョートク)が建設されたことから、SNSで注目される機会があり、市川市議会では太田丈之議員(参政党  @takeyukiohta) が2025年11月6日付の陳情書を提出したとのこと。

○市川市議会へ提出された「行徳モスク」に関する陳情書です。

 陳情書ではGoogleマップの口コミが掲載されていて、交通障害(自転車が歩道をふさぐように駐車されている、近隣のコンビニに勝手に駐車している、など)と騒音(コンビニでの大きな話し声)が掲載されていました。

 ただ、宗教が関係するかどうかにかかわらず、大勢の人が集まると路駐と騒音の問題は発生しがちです。祭りのときは、たいてい、路駐と騒音が発生します。クラナリは、過去に出版労連のデモに駆り出されたことがあるのですが、関係者が集まった公園はうるさかったし、なにより、「賃金上げろー」的なことを言いながら道路を練り歩くので、騒がしいだけでなく邪魔だったと思います。

 にもかかわらず、イスラム教が絡むと、ことさら問題視されているという印象。
 理由の一つと考えられるのが、埼玉県川口市のトルコ系クルド人問題です。川口クルド人病院騒動は大きく報道され、「川口市はクルド人で治安が悪くなっている」というイメージが強くなりました。

○川口クルド人病院騒動

 クルド人とは、上智大学の山口昭彦教授によると「クルド語を母語にする人々」で厳密に定義することは難しいようです。宗教的にはスンナ派(スンニ派)ムスリムがほとんどとのこと。

 川口クルド人病院騒動を起こしたクルド人や過激派組織のイスラム国などから、「イスラム教=危険」「イスラム教=男尊女卑→性犯罪が増える」というイメージが持たれやすいと考えられます。
 ただし、川口市での犯罪認知件数は減っています。

 冒頭で述べたように、市川市には行徳ヒラー・マスジドがあることから、SNSでさまざまな言説が飛び交うわけですが、今回は数字で確認することにしました。

 市川市に住む外国人の出身国は、中国(7169人)、ネパール(3075人)、ベトナム(2864人)がトップ3です。
 それぞれの国で、どんな宗教が信仰されているのでしょうか。
 Wikipediaによると、次のとおりです。

中国における信教者の割合
(2023年のピュー研究所の統計より)[1]

  仏教 (33.4%)
  無宗教と無神論 (25.2%)
  道教 (19.6%)
  中国民俗宗教 (17.7%)
  キリスト教 (2.5%)
  イスラム教 (1.6%)

ネパール
ヒンドゥー教徒 80.6%, 仏教徒 10.7%, イスラム教徒 4.2%, キラント教徒 3.6%, その他 0.9%(2001年国勢調査) ヒンドゥー教は長らく国教とされていたが、2006年以降国教扱いは廃止されている。

ベトナム
宗教は仏教徒が多いが、カオダイ教やホアハオ教、フランス植民地時代からのカトリックも存在する[7]。憲法上は信教の自由を認めているが、実際には政府による強力な規制・監督が敷かれており、アメリカから信教の自由の改善を要請されている[23]。やホアハオ教、フランス植民地時代からのカトリックも存在する[7]。憲法上は信教の自由を認めているが、実際には政府による強力な規制・監督が敷かれており、アメリカから信教の自由の改善を要請されている[23]。

※キラント教は、ネパールの東部山岳地帯の先住民族が信仰する民族宗教
※カオダイ教は、1926年にベトナム南部で誕生した新興宗教
※ホアハオ教は、ベトナムのメコンデルタ地域で生まれた新興宗教

 以上のデータでは、中国・ネパール・ベトナムでイスラム教の占める割合は極めて低いといえます。

 日本に住んでいるムスリムの推計人口総数(外国人と日本人を合わせた数)は、2024~2025年だと42万人というデータがありました。日本の総人口を1億2000万人とすると(実際は1億2300万〜1億,400万人)、0.35%ということになります。

 また、市川市の南沖公園で行われたイード礼拝については、年2回、イスラム教における2つの主要な祝祭日に合わせて実施されます。
○イード・アル=フィトル(Eid al-Fitr):ラマダーン(断食月)の終了を祝う祭日
○イード・アル=アドハー(Eid al-Adha):大巡礼(ハッジ)の時期の祭日

 イード礼拝にかかる時間は45分から1時間程度とのこと。

 南沖公園の面積は0.86ヘクタールで、サッカーコートの1.2面分に相当します。また、行徳中央公園は1.1ヘクタール、妙典公園は1.2ヘクタール、南行徳公園(えんぴつ公園)は2.3ヘクタール、大洲防災公園は2.8ヘクタールとなっています。

 日本が経済大国で一億総中流といわれたのは、バブル期までのこと。
 ジリジリと経済が悪化している、今の重苦しい雰囲気の中で、もしかしたら私たちはおおらかさを失い、言語、見た目や風習といった差異に過敏になっているのかもしれません。

 

 
■主な参考資料
【識者の眼】「外国人は医療フリーライダーか」岩田健太郎

海を渡って日本に治療を受けに来る 「タダ乗り患者」が増殖中

“わからない”が恐怖に… 御徒町のモスクから見えてきたのは
日本の文化を理解し、学ぼうとしてきたナズィールさんのもとに、ことし(2025年)、急に攻撃的な言葉が投げつけられるようになった。
「日本から出ていけ」
届いたメールには、外国人に対するヘイトスピーチで使われるようなひぼう中傷の言葉が並んでいた。

観光で来たイスラム教徒たちは、礼拝の場所を求めてモスクに立ち寄るようになっていた。一度に300人しか入れないモスクに、多い日では800人が来るようになった。
礼拝を3回に分けて行ったり、交通の妨げにならないよう周辺に並ぶ人たちの列を整理したりしてきたが、そうした対応にも限界がある。
 
川口市のクルド人問題。現場で見た課題と委員会質問で得た手応え

埼玉・川口市民の「体感治安」が急に悪化した背景には何が…犯罪認知件数は20年前比で3分の1以下に改善
市内での日本人も含めた刑法犯の認知件数は2004年は1万6314件。これが、2024年では4529件と3分の1以下に減っている。2022年以降は増えているが、コロナ禍が終わったことによる反動とみられ、長期的に減少傾向だ。

 市内の日本人による犯罪を除き外国人による犯罪だけをみた場合はどうか。2020年以降の5年分について埼玉県警などがまとめたデータをみると、外国人はこの間に3万8764人から4万3128人に4364人増えたが、外国人による刑法犯の検挙件数は233件から152件と、減少している。

南沖公園
南沖公園は、昭和55年に公園中央部に交通施設を整備し、行徳地区唯一の交通公園として、毎日、多くの子供たちに利用されています。

日本のムスリム人口 2025年
最後に、2024年末/2025年初の滞日ムスリム人口の推計値を提示しておこう。2024年12月末/2025年初時点で推計された外国人ムスリム人口は、363,413人、2024年12月末時点で推計された日本人ムスリム人口は、5万5千である。以上から、日本におけるムスリム人口全体の規模として、外国人ムスリムは、36万3千、日本人ムスリムは、5万5千とした。したがって、日本に住んでいるムスリムの推計人口総数は、2024年末/2025年初現在において、42万とする。これは、日本の総人口の約0.3%に相当する。

日本のムスリム人口は、欧米の先進諸国に比べると、人口規模や全人口にしめる割合も未だに低いのが現状である。将来の日本のムスリム人口の規模については、2019年4月からの「特定技能」資格の導入や、2024年6月に可決成立した育成就労制度による外国人労働者受入政策の変更などを考慮すると、今後も在留外国人数の増加にともなって、滞日ムスリム人口も増加することが予想される。今回の推計結果に現れたような変化が続けば、ムスリム人口の増加が今後も継続することになる。在留外国人数の動向は増勢にあるのが現状であり、滞日ムスリム人口についても、これまで以上に、その存在感を注視していく必要があろう。

「国をもたない最大の民族」とは 歴史から知るクルド人の歩みと今
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