市川駅南口アーケード街を巡る時間旅行 その16 新たな証言「駅前とは思えないほどの寂れ方」

  市川市の紹介文には「文教住宅都市」が2回も出てくることを、前回の記事(千葉の辺境「葛南地域」の5つの市を比較してみた件)では紹介しました。


 『クラナリ』も、市川市については「文教住宅都市」的なイメージを抱いていたのですが、これは、人によって、そして時代によって異なるようです。
 『日本の特別地域 特別編集28 これでいいのか 千葉県 葛南』(マイクロマガジン社、2011年発行)の表紙を見てください。

『日本の特別地域 特別編集28 これでいいのか 千葉県 葛南』

 表紙に描かれている人物の中で、市川市のイメージは暴走族だったのです。

 そしてこの本には、市川駅の南口について、以下の記述がありました。

市川駅南口には鉄筋不足で話題となった高層タワーマンションが2008年と2009年に完成したが、それまでは駅前とは思えないほどの寂れ方で、小さなアーケードや飲食店、パチンコ屋があるだけだった。

 確かに、再開発前の写真を検索すると、パチンコ屋とサラ金(消費者金融)が異様に目立ちます。著作権の関係でイラスト化したのが、下の図。


 市川駅南口アーケード街を巡る時間旅行 その13 1999~2003年頃のショップリスト でも紹介しましたが、パチンコ屋があまりにも多すぎる……
 電車で市川駅にやって来た人が、南口を出ると、誰も「千葉の鎌倉」「文教住宅都市」というイメージは抱かなかっただろうと推測します。


 以前に、地元(大洲)の人に再開発前の印象を聞くと「活気があった」と答えていました。そして市川市在住のミュージシャンであるサエキけんぞうさんも、「場内エキサイト!市川駅前再開発で人がいなくなったといっても受けた!」とTwitterでコメントしていました。
 しかし、地元じゃない人にとっては「駅前とは思えないほどの寂れ方」だったという大きなギャップ。

 なお、『日本の特別地域 特別編集28 これでいいのか 千葉県 葛南』の表紙の、市川市の暴走族ですが、以下の文春オンラインの記事に登場しています。


 どうやら30年ほど前の話のようですね。これも一つの時代。 
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