アランチャ・ドレッシング代表 田中和子さんの「ベスト・アクション」の現場

 今年の5月30日、アランチャ・ドレッシング代表の田中和子さんは、関東商工会議所連合会の「ベスト・アクション」として表彰されています。

 「ベスト・アクション」とは、商工会議所の事業活動に関連して、まちづくりの推進や地域経済の振興ならびに商工会議所の発展に貢献している会員を表彰するものとのこと。

 田中さんへのインタビュー【アランチャ・ドレッシング代表 田中和子さんインタビュー】「おいしい!」に背中を押されて専業主婦から創業者へでも紹介していますが、2003年にオリジナルドレッシングを田中さんは商品化しました。
 それから16年の間に、以下のことを行っています。

〇市のイベントやプロモーション活動に積極的に参加→地域ブランド推進
市川の梨やトマトなど地元特産品を原材料にした商品を開発し、地元のイベントなどで販売した→地産地消への取り組み
〇規格から外れてしまった地元農産品で商品開発を手がけた→地域経済の振興
ママ友をスタッフとして雇った→雇用促進

 こうした活動が高く評価されて、表彰に至ったのでしょう。
 「知らないうちに、市川市商工会議所の所長さんが推薦してくださっていました。推薦文がよかったのでしょうね。今後の人生で、表彰してもらうことなどもうないだろうなあと思いながら、賞状をいただきました。
 今回の表彰は、私だけの力ではなく、スタッフや家族、お客さんのおかげです」
 このように田中さんは話していました。

 そんな田中さんのベスト・アクションを目の当たりにする機会がありました。

 一昨日(土曜日)、アランチャ・ドレッシングが市川シャポーでのマルシェに出店していたので、田中さんと私は立ち話をしていました。


 その中で、今年は天候不順で梨にも影響しているという話題が出ました。
 田中さんはドレッシングの材料を仕入れるために、梨農家とも懇意にしています。そこで「豊水」という品種の梨が、雨によって形と色が悪くなり、農家が出荷できない状況だと聞いたのです。味は変わらず、見た目だけの問題とのこと。


 立ち話で「農家の人は大変」「せっかくの梨がもったいない!」「それだったら欲しい」と私が話していたら、田中さんが「だったら、このマルシェで売ればいいかもしれない」と突然、梨農家に電話を始めたのでした。

 田中さんの行動力にびっくり!

 土曜日の夜、田中さんから「日曜日に梨の販売が決まりました」と連絡を受けました。梨農家と話がまとまったようです。

 翌日の日曜日、午前中に市川シャポーのマルシェに足を運んだところ、田中さんから「申し訳ない!」という表情で「開店直後に梨は売り切れたの」と言われました。
 そこからやはり立ち話で「仕方ない」「それにしても市川の梨は大人気だ」と話していたら、田中さんが「だったら、もう1回、仕入れに行こうかな」と梨農家に電話を始めたのでした。

 とりあえず、私はドレッシングだけ購入して帰宅したのですが、田中さんから「梨を仕入れに行きます」と連絡を受けました。またも、梨農家と話がまとまったようです。

 市川シャポーにとんぼ返りすると、田中さんの娘さんが車で梨農家を2軒回って仕入れに行ったとのこと。マルシェ会場には田中さんと女性スタッフの2名だけだったので、私も一緒に梨の搬入を行って、無事に自分の分の梨を購入することができました。

 田中さんのベスト・アクションによって、市川の梨は消費者のもとに届けられたのです。

 農家の人も、見ず知らずの人間がいきなり「出荷できない豊水を取り扱わせてほしい」と尋ねてきても、とまどってしまって話がまとまらないでしょう。
 また、地元マルシェやローカルフェスにこれまで田中さんが出店してきた経験があるからこそ、「ここで梨を売ろう」という発想・ひらめきがすぐに出たわけです。
 そしてなにより、行動力。すぐに電話して、車を走らせて梨を取りに行くというスピード感があります。

 地域経済の振興・地産地消への取り組みというベスト・アクションの小さな現場に居合わせることができて、私もラッキーでした。

■アランチャ・ドレッシング
http://www.arancia-dressing.com/


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