水辺から、町の過去から未来までを考える「ミズベリング・プロジェクト」

 江戸川、真間川、大柏川、春木川、国分川、丸浜川、内匠堀、平川用水路など、市川市内の川と暗渠を紹介してきた『クラナリ』。
 七夕の今日、午後7:07に「水辺で乾杯@真間川手児奈橋」というイベントが開かれると知って、その様子を撮影させていただきました。
小雨が降る中、乾杯するメンバーの皆さん

全国各地で、水辺で乾杯する様子をサイトにアップするイベント

 「水辺で乾杯」という全国的なプログラムを作ったのは、「ミズベリング」というプロジェクト。このプロジェクトは民と官(国土交通省)が共同で2014年に立ち上げたようです。
https://mizbering.jp/wp-content/uploads/2014/04/3eb090d4f1a3d0b7d52b8eae320a028d.pdf

 基本コンセプトは以下の3つ。
①まちにある川や水辺空間の賢い利用
②民間企業等の民間活力の積極的な参画
③市民や企業を巻き込んだソーシャルデザイン

 ミズベリングから行政や企業、市民に働きかけ、水辺を楽しむ人・水辺で町を変える人・水辺で新しいビジネスを作る人を増やしたいという目的もあるようですね。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000633484.pdf




 人類の古い文明と河川につながりがあるように、長い歴史の中で生活と川(水路)は密接に関係していました。人や物資を運搬するだけでなく、釣りをして食料を得たり、子どもたちが遊んだり、生活の中に水辺の風景があったわけです。
 『クラナリ』でも紹介しましたが、かつて江戸川は東京のリゾート地。水遊びに都心からもたくさんの人が訪れていたのです。

 水辺の風景が大きく変化したのは、高度成長期です。生活用水が大量に流れ込み、汚染されて腐臭がしたことで、水路の多くが暗渠になってしまったようです。

 分断された人と水辺。

 それが今は下水道の整備によって、かつての清流が取り戻されてきました。とはいえ、水は私たちの命のもとであると同時に、容赦なく命を奪うもの。最近でも九州で甚大なる水害が発生しました。
江戸川沿いの「水神宮」
水の事故が起こらないようにと創建された可能性が高いでしょう

真間川の水門の近くにあります

 原因の一つに、人口増加によって偏った治水政策が行われたり、言い伝えなどで「住んではいけない」とされていた土地に住宅地を作ったりしたことも挙げられるでしょう。

 川の歴史を知り、関心を持つことが、私たちが住む町の未来を考えるヒントになるかもしれません。
Powered by Blogger.