中年ニート・ひきこもりのサバイバルプランをお金・健康の両面で考えたい
政府は40~59歳を対象にひきこもり(※)の全国調査に乗り出すと、1月6日 14:36に時事通信社がニュースを配信しました。(中高年の引きこもり初調査へ=政府、40~59歳の実態把握)
いちかわ・うらやす若者サポートステーション(サポステ)のウェブページには、以下のことが書かれています。
「ニート」は「15歳から34歳までの、家事・通学・就業をせず、職業訓練も受けていない者」と定義されているようです。しかし、ニートの高齢化は進んでいます。厚生労働省は来年度から支援制度を拡充し、40~44歳も含める方針を決めました。
ニートに加えて、深刻な状況として考えられているのが「ひきこもり」の高齢化です。「さまざまな要因によって社会的な参加の場面がせばまり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」と厚生労働省はひきこもりを定義しています。
増加しつつある「中年ニート・ひきこもり」。2017年5月30日付の日本経済新聞は「総務省の2016年の労働力調査を見ると、35~59歳の“中年ニート”は123万人いることが分かった」と報じていました。一般に「働き盛り」とされている年代で、中年ニート・ひきこもりが少なくないのです。
現在は会社勤めの人も、リストラや介護、自分の健康その他諸々の事情で失職した場合、中年ニート・ひきこもりになる可能性は十分にあります。40代以上だと就職の幅が狭まりやすいうえ、プライドも高く、キャリアが長い分だけ自分の専門性などにもこだわって、再就職が厳しくなるからです。
以下は、総務省統計局の平成24年就業構造基本調査から導き出されたニートの割合です。(出典:統計ラボ)
市川市でニートの統計を取っていないか調べたのですが、私では見つけられませんでした。
○若年ニート
15~19歳:2.20% 13.3万人
20~24歳:1.93% 12.0万人
25~29歳:1.53% 10.7万人
30~34歳:1.55% 12.2万人
(全体:約1.8%)
○中高年ニート
35~39歳:1.96% 18.4万人
40~44歳:2.64% 25.0万人
45~49歳:3.15% 25.8万人
50~55歳:4.10% 31.5万人
55~59歳:6.91% 54.9万人
(全体:約3.75%)
サバイバルプランの作成は
生活設計について、金銭面のアドバイスをするファイナンシャル・プランナーの立場から、中年ニート・ひきこもりのサバイバルプランを作っておくことを畠中雅子さんは提唱しています。そのきっかけは、中年の子どもが働いておらず、将来を悲観する親からの相談を受ける機会が増えたことだったそうです。
サバイバルプランとは、親亡き後を生きるための計画。持ち家、生命保険、国民年金などをすべて活用し、中年ニート・ひきこもりが平均余命くらいまで暮らしていけるように模索するのです。
サバイバルプランの作り方を一部紹介しましょう。
○預貯金、株式、保険などの合計額をはじき出し、不動産評価額を把握する
○現在の家計の収支を把握する
○一人暮らしになった場合の生活費の見積もりを立てる(持ち家で家賃不要なら月10万円を限度にする)
○ひきこもりの子どもを持つ親は、役所や銀行での手続きを経験させるなど、子どもに一人暮らしの準備をさせる
畠中さんは著書『教育貧民』(宝島社)で、子どもが幼い頃からニートやひきこもりにさせないように親は将来のことも考えて教育したほうがいいと強く勧めています。私はこの本を読んで「どんな子どもにもニートになる可能性があるし、親がニートにさせているのかもしれない」と戦慄を覚えました。
さらに畠中さんの共著『ひきこもりのライフプラン』(岩波ブックレット)では、金銭面でも社会生活でも心配な子どもを残して死んでいかなければならない、老いた親の心理も描かれていました。
「悲観する前にサバイバルプランを作成することは、不安を軽減したり、現実を直視する一歩となります」と畠中さんは語っています。中年ニート・ひきこもり問題を見て見ぬふりしたり、先送りしたりするようなことはやめて、今、サバイバルプランを作る必要があるのではないでしょうか。
体を動かせなくなる
サバイバルプランを狂わせてしまうのが、中年ニート・ひきこもりの健康問題。体を動かさない状態が続くと、心身の機能が低下して、体を動かせなくなる「生活不活発病」を発症する可能性が高まります。筋力が弱まり、心肺・消化器機能が低下して、高血圧や高血糖を招く危険があるのです。
病気になったら医療費がかさみます。だから、中年ニート・ひきこもりは健康を第一に考えたほうがいいでしょう。
お金が一切かからず、病気予防の効果が非常に高いのが「ウォーキング」。ジョギングと比較して関節への負担が低いので、中年になって始めるのに最適なスポーツと言えます。また、ウォーキングで全身の血流が改善されれば、めまいや耳鳴りなどと言った症状も軽減されやすくなると語る医師もいました。
そして1日1万歩もウォーキングをする必要はありません。東京都健康長寿医療センター研究所の青栁幸利氏は、決して無理をせず、歩数を徐々に積み重ねていき、「1日8000歩、そのうち20分は速歩き」ができるようになることを目指せばいいと語っていました。
誰もが考える老後の不安に、マネーと健康が挙げられます。現在はニート・ひきこもりでない人も、40代になれば一度マネーと健康を見直してはいかがでしょうか。
いちかわ・うらやす若者サポートステーション(サポステ)のウェブページには、以下のことが書かれています。
厚生労働省、千葉県、市川市、浦安市及びNPO法人ニュースタート事務局が協働で運営しており、不登校・高校中退・ニートなどの若者たちの「再出発」を応援しています(厚生労働省認定事業)。
いちかわ・うらやす若者サポートステーション(サポステ)では、15歳から39歳の方を対象に無料で職業相談や就職セミナーを行い、就職までの支援を行っています。
「ニート」は「15歳から34歳までの、家事・通学・就業をせず、職業訓練も受けていない者」と定義されているようです。しかし、ニートの高齢化は進んでいます。厚生労働省は来年度から支援制度を拡充し、40~44歳も含める方針を決めました。
ニートに加えて、深刻な状況として考えられているのが「ひきこもり」の高齢化です。「さまざまな要因によって社会的な参加の場面がせばまり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」と厚生労働省はひきこもりを定義しています。
増加しつつある「中年ニート・ひきこもり」。2017年5月30日付の日本経済新聞は「総務省の2016年の労働力調査を見ると、35~59歳の“中年ニート”は123万人いることが分かった」と報じていました。一般に「働き盛り」とされている年代で、中年ニート・ひきこもりが少なくないのです。
現在は会社勤めの人も、リストラや介護、自分の健康その他諸々の事情で失職した場合、中年ニート・ひきこもりになる可能性は十分にあります。40代以上だと就職の幅が狭まりやすいうえ、プライドも高く、キャリアが長い分だけ自分の専門性などにもこだわって、再就職が厳しくなるからです。
以下は、総務省統計局の平成24年就業構造基本調査から導き出されたニートの割合です。(出典:統計ラボ)
市川市でニートの統計を取っていないか調べたのですが、私では見つけられませんでした。
○若年ニート
15~19歳:2.20% 13.3万人
20~24歳:1.93% 12.0万人
25~29歳:1.53% 10.7万人
30~34歳:1.55% 12.2万人
(全体:約1.8%)
○中高年ニート
35~39歳:1.96% 18.4万人
40~44歳:2.64% 25.0万人
45~49歳:3.15% 25.8万人
50~55歳:4.10% 31.5万人
55~59歳:6.91% 54.9万人
(全体:約3.75%)
サバイバルプランの作成は
不安を軽減する一歩
生活設計について、金銭面のアドバイスをするファイナンシャル・プランナーの立場から、中年ニート・ひきこもりのサバイバルプランを作っておくことを畠中雅子さんは提唱しています。そのきっかけは、中年の子どもが働いておらず、将来を悲観する親からの相談を受ける機会が増えたことだったそうです。サバイバルプランとは、親亡き後を生きるための計画。持ち家、生命保険、国民年金などをすべて活用し、中年ニート・ひきこもりが平均余命くらいまで暮らしていけるように模索するのです。
サバイバルプランの作り方を一部紹介しましょう。
○預貯金、株式、保険などの合計額をはじき出し、不動産評価額を把握する
○現在の家計の収支を把握する
○一人暮らしになった場合の生活費の見積もりを立てる(持ち家で家賃不要なら月10万円を限度にする)
○ひきこもりの子どもを持つ親は、役所や銀行での手続きを経験させるなど、子どもに一人暮らしの準備をさせる
畠中さんは著書『教育貧民』(宝島社)で、子どもが幼い頃からニートやひきこもりにさせないように親は将来のことも考えて教育したほうがいいと強く勧めています。私はこの本を読んで「どんな子どもにもニートになる可能性があるし、親がニートにさせているのかもしれない」と戦慄を覚えました。
さらに畠中さんの共著『ひきこもりのライフプラン』(岩波ブックレット)では、金銭面でも社会生活でも心配な子どもを残して死んでいかなければならない、老いた親の心理も描かれていました。
「悲観する前にサバイバルプランを作成することは、不安を軽減したり、現実を直視する一歩となります」と畠中さんは語っています。中年ニート・ひきこもり問題を見て見ぬふりしたり、先送りしたりするようなことはやめて、今、サバイバルプランを作る必要があるのではないでしょうか。
体を動かせなくなる
「生活不活発病」に要注意
サバイバルプランを狂わせてしまうのが、中年ニート・ひきこもりの健康問題。体を動かさない状態が続くと、心身の機能が低下して、体を動かせなくなる「生活不活発病」を発症する可能性が高まります。筋力が弱まり、心肺・消化器機能が低下して、高血圧や高血糖を招く危険があるのです。
病気になったら医療費がかさみます。だから、中年ニート・ひきこもりは健康を第一に考えたほうがいいでしょう。
お金が一切かからず、病気予防の効果が非常に高いのが「ウォーキング」。ジョギングと比較して関節への負担が低いので、中年になって始めるのに最適なスポーツと言えます。また、ウォーキングで全身の血流が改善されれば、めまいや耳鳴りなどと言った症状も軽減されやすくなると語る医師もいました。
そして1日1万歩もウォーキングをする必要はありません。東京都健康長寿医療センター研究所の青栁幸利氏は、決して無理をせず、歩数を徐々に積み重ねていき、「1日8000歩、そのうち20分は速歩き」ができるようになることを目指せばいいと語っていました。
誰もが考える老後の不安に、マネーと健康が挙げられます。現在はニート・ひきこもりでない人も、40代になれば一度マネーと健康を見直してはいかがでしょうか。
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