「地域通貨を使ったクラウドファンディング」は、地域の中で持ちつ持たれつの仕事関係を作る仕組み

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クラウドファンディング(英語: Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。ソーシャルファンディングとも呼ばれる。
--- Wikipediaより


 クラウドファンディングとは、目的を持った法人や個人が、不特定多数の出資者から、インターネットを活用した仕組み(プラットフォーム)を通じて、資金提供を受けることです。

 大きく分けると、クラウドファンディングには、3つの種類があります。

1 寄付型
 出資者にリターンを行いません。

2 購入・報酬型
 出資者に、金銭以外のリターンを行うタイプです。
 資金調達者は集めた資金で商品などを作り、完成した時点で資金の出し手に商品やサービスなどでリターンを行います。

3 金融型(貸付・融資型「ソーシャルレンディング」・ファンド型・株式型)
 出資者に金銭のリターンを行うタイプです。

【資金調達者の会計処理】
1 寄付型
○個人→個人 贈与税がかかります。
○法人→個人 一時所得扱いとなり、所得税がかかります
○法人→法人、個人→法人 贈与と見なされ、法人税がかかります。

2 購入・報酬型
 会計処理上は通常の物品の売買と変わらない扱いとなります。

3 金融型
 借入金として会計処理します。

【出資者の会計処理】
1 寄付型
 寄付金控除の対象になります。
※領収書が必要。

2 購入・報酬型
 会計処理上は通常の物品の売買と変わらない扱いとなります。

3 金融型
 貸付金として会計処理します。


 クラウドファンディングには賛否両論あり、「ネット乞食」などと非難されたケースも少なくありません。

 ニュースにもなったのは、2017年に女優の真木よう子さんが雑誌を作成するためにクラウドファンディングサイト(プラットフォーム)「CAMPFIRE」で資金を集めようとしたこと。「真木よう子、フォトマガジン出版プロジェクト。」という名称でスタートしたものの、大炎上をしました。
 理由の一つが、目標金額が800万円だったこと。何部印刷するつもりかはわかりませんが、あまりにも高すぎます。
 そのほかにもさまざまなうわさが飛び交い、「クラウドファンディングとは何なのか」について、多くの人が考える機会になったのではないでしょうか。


 クラウドファンディングを単なる金集めの手段と勘違いしている人は、存在しました。
 さらに、「融資(貸付)型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)」の中には違法性が高いものがあり、金融庁が注意を呼び掛けています。
https://www.fsa.go.jp/ordinary/social-lending/index.html


 不特定多数の人から資金を調達する場合、金銭を自分だけの娯楽や生活のために使ってしまえばネット乞食になるし、法律を守らなければ犯罪になるし、社会的なモノやコトに使えばクラウドファンディングになるということでしょうか。
 

 クラウドファンディング自体は、資金を集めるだけでなく、広告的な効果もあると考えられます。
 銀行から融資を受けても話題にならないのに対し、クラウドファンディングだとプロジェクトの内容を多くの人に開示することになり、支援者が情報をネットや口コミで拡散するケースは少なくありません。

 ネット乞食や犯罪、単なる金集めの手段に陥ることなく、クラウドファンディングの長所を生かしながら、地域の中で持ちつ持たれつの仕事関係を作る仕組みとして、「地域通貨を使ったクラウドファンディング」が候補になるかもしれません。

【コミュニティづくり入門】ブームになった地域通貨。その後
https://life-livelihood.blogspot.com/2018/03/blog-post_23.html

 上の記事でも紹介していますが、市川には「てこな」という地域通貨があったようです。
 さまざまな地域で導入され、消えていった地域通貨。その問題点などは、以下で詳しく分析されていました。

地域における消費、投資活性化の方策 ─地域通貨と新たなファンディング手法の活用─
富士通総研 主席研究員 米山 秀隆 
https://www.fujitsu.com/jp/Images/no447.pdf

 行政が率先するトップダウン形式よりも、小さなコミュニティから広がっていくボトムアップ形式のほうが、うまくいくようですね。

 今年の5月には、埼玉県深谷市で「 negi(ネギー)」という地域通貨を使った実証実験が始まりました。
 深谷ネギだけに。

単位は「ネギー」 埼玉・深谷市が電子マネー導入で実験開始
https://mainichi.jp/articles/20190511/k00/00m/040/090000c

トラストバンク、電子地域通貨による地域内経済の活性化を目指し埼玉県深谷市とプレミアム商品券キャッシュレス化の実証実験を実施
https://www.sankei.com/economy/news/190215/prl1902150299-n1.html
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