「孤独」対策としての生業を、もう一度考えたい

 地域新聞社が作成している商圏地図は、平成22年、つまり8年前のデータをもとにしていますが、十分に参考になると思います。
https://chiikinews.co.jp/pdf/areadata/areadata_ichikawa.pdf

 商圏地図を眺めると、次のことがわかります。
○人口の多いエリアは市川駅南側、市川大野駅西側、南行徳駅北側。
○海岸部の工場・倉庫地帯など、人がほとんど住んでいないエリアもかなり多い。

 市内の人口については、市川市が作成した「平成30年5月31日現在町丁別世帯人口表(市川市住民基本台帳人口)」も参考になります。
http://www.city.ichikawa.lg.jp/gen01/1111000088.html

 市川市が作成した「市川市の人口の状況について(追加報告)」だと、単身世帯が40%(65歳未満が27.7%、65歳以上が7.4%、年齢不詳が5%)を占め、最も多くなっています。
http://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000218789.pdf
「市川市の人口の状況について(追加報告)」より抜粋


 「40代前後の単身者が、東京その他で仕事をして帰ってきてから寝ている場所」「平日の昼間にいるのは、子育て中のお母さんや高齢者がほとんど」という場所が、現在の市川市のようです。

 過去記事「既存の仕組み・施設に、プロの市川市民の経験・知識を掛け合わせて新しい仕事を作る」で書いた「子育て世代が東京で仕事をしている可能性が非常に高い」というのは現実と違っていたので、訂正しました。

 また、みずほ情報総研の研究では、未婚化や離別、死別で「中高年や高齢者の単身世帯数が増える」と指摘されていました。
https://www.mizuho-ir.co.jp/publication/contribution/2017/seikyo1703_01.html

 市川市で生業をつくるとしたら、「孤独」対策としての生業がキーワードになるかもしれません。そのためのポイントは、次のとおりです。
■平日夜、土日祝日に営業する(土曜日は午前よりも午後)
■1人でも気軽に参加できる
■疲れを癒したり、不安や悩みを解消したりする
■緩い関係の顔見知り・知り合いができる

 子育て中のお母さんや高齢者を対象にした市川市の公的なサービスがすでに存在すること(女性の交流の場「いち☆カフェ@ウィズ」http://www.city.ichikawa.lg.jp/gen05/1111000045.html、認知症カフェhttp://www.city.ichikawa.lg.jp/wel02/1111000096.htmlなど)から、27.7%を占める65歳未満の単身世帯をターゲットにしたほうがよさそうです。

 生業については、「市川市の昼間人口が増えるようにビジネスを興そう!」「市川市を変えよう」などの目標を掲げるタイプの創業・起業とは大きく異なります。
 今、すでにある施設(店舗なども含む)を活用しながら、身の丈に合ったビジネスをつくっていく、小さな取り組みです。
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