クリエイティブの分野でも「千産千消」を! 特に税金を使っているところは!!
雑誌編集の最終段階の仕事は、誰にいくらギャラを支払うのかを整理する「原稿料ノート」の作成。
昨日、原稿料ノートを作りながら「ギャラが減っている……」としみじみ思いました。
ライターもカメラマンもイラストレーターも、10~20年前と比べるとはるかに出版社からの支払いが減っています。この現象は、私が仕事をしている出版社だけで起こっているのではなく、フリーランスの人間が集まると「どこもキツイよね……」とため息ばかり。
右肩下がりの出版業界では、ある意味、仕方がないこと。
加えて技術革新によって、ライティングも撮影もイラストもセミプロが台頭しています。
ライティングに関しては、昔は手書きだったのがワープロ、パソコンで楽に文章を打ち込めるようになり、(やってはいけませんが)コピペも簡単。
原稿を送るのも郵便ではなくメールでササッと済ませられます。
撮影も、カメラの補正機能が充実しただけでなく、重いデータのやり取りがすぐにできるようになって、ポジが不要になりました。
イラストも然り。
技術革新のおかげでクリエイティブの分野での供給が過剰になって、単価がどんどん下がっているわけです。
セミプロが増えたとはいえ、仕事はプロとは大きく違います。
異なる点は、上手・下手といった技術ではありません。自分が苦手な分野でも、それなりのレベルを保って、締め切りに間に合わせるのがプロの特徴なのです。
ある意味、自分の趣味に走って「うーん」というレベルのセミプロは、プロの仕事に影響をそれほど与えないでしょう。
ところが、供給過剰を引き起こしているのは、セミプロが増えたことだけではありません。プロで大量に作品を供給、しかも商用でも無料という驚異的なシステムを作って、業界全体のギャラを引き下げている人がいるのです。
それが「かわいいフリー素材集 いらすとや」。
清潔感があり、一目で何を表しているのかがわかり、人物から料理、行事まで幅広い分野のフリーイラストを提供しています。
彼はイラスト原稿料ではなく、サイトの広告料などで大きな収益を上げているようです。
こうしたシステムを構築した結果、看板やチラシ、広報紙、はたまたテレビのフリップにまで、いらすとやのイラストだらけの世の中になってしまいました。
私も自分のサイトやブログでは、いらすとやのイラストを使っています。
理由の一つは、イラストなどの画像素材については管理している各社の規定が異なるため、いろいろと面倒だからです。
もう一つは、私にお金がないこと。
ですから、個人ではなく、ギャラが発生する出版社などから請け負った仕事では、いらすとやのイラストを使ったことはありません。
企画に合ったイラストレーターを探し、連絡をして、条件その他を詰めてから依頼をします。
ライターもカメラマンもイラストレーターも状況が厳しい。
彼らのクライアントの出版社も状況が厳しい。
そんな状況だから、つい思ってしまうのです。
「私たちの税金を使って製作しているチラシや広報紙ぐらい、地元のクリエイターに仕事を発注してほしい」
千葉県教育委員会のリーフレットにも、いらすとやのイラストが使われているのを見て、「なぜ?」と疑問を抱きました。
内容だけを見れば、4色、コート紙を使う必要はありません。
モノクロで紙質を落とし、イラストは千葉県在住のイラストレーターに依頼するという選択もあったのではないでしょうか。
千葉県教育委員会のリーフレットには税金が使われているはずです。
税金は私たちが徴収されたお金で、千葉県在住のクリエーターたちも支払ったお金。
もちろん無駄遣いはダメですが、クリエーターを育成するという意味で「千産千消」を心がけてもいいのではないでしょうか。
資本主義の世の中で効率化が進むと、いらすとやのイラストで世の中が埋め尽くされるでしょう。
お金が使えないのなら、安価で済ませられる選択をするのも仕方がないこと。
しかし、行き過ぎた資本主義を是正をして再分配をする役割が税金にあるのだとすれば、利便性に乗っかっていくのは違いませんか。
特に教育に関係する機関が、地元の若いクリエーターを育成したり、支援したりしなくてどうするのでしょう。
『クラナリ』では「クリエイティブの分野でも千産千消」運動を進めていきます。
※「千産千消」は千葉ローカルの表現で、「地産地消」の「地」を千葉県の「千」と置き換えています
昨日、原稿料ノートを作りながら「ギャラが減っている……」としみじみ思いました。
ライターもカメラマンもイラストレーターも、10~20年前と比べるとはるかに出版社からの支払いが減っています。この現象は、私が仕事をしている出版社だけで起こっているのではなく、フリーランスの人間が集まると「どこもキツイよね……」とため息ばかり。
右肩下がりの出版業界では、ある意味、仕方がないこと。
加えて技術革新によって、ライティングも撮影もイラストもセミプロが台頭しています。
ライティングに関しては、昔は手書きだったのがワープロ、パソコンで楽に文章を打ち込めるようになり、(やってはいけませんが)コピペも簡単。
原稿を送るのも郵便ではなくメールでササッと済ませられます。
撮影も、カメラの補正機能が充実しただけでなく、重いデータのやり取りがすぐにできるようになって、ポジが不要になりました。
イラストも然り。
技術革新のおかげでクリエイティブの分野での供給が過剰になって、単価がどんどん下がっているわけです。
セミプロが増えたとはいえ、仕事はプロとは大きく違います。
異なる点は、上手・下手といった技術ではありません。自分が苦手な分野でも、それなりのレベルを保って、締め切りに間に合わせるのがプロの特徴なのです。
ある意味、自分の趣味に走って「うーん」というレベルのセミプロは、プロの仕事に影響をそれほど与えないでしょう。
ところが、供給過剰を引き起こしているのは、セミプロが増えたことだけではありません。プロで大量に作品を供給、しかも商用でも無料という驚異的なシステムを作って、業界全体のギャラを引き下げている人がいるのです。
それが「かわいいフリー素材集 いらすとや」。
清潔感があり、一目で何を表しているのかがわかり、人物から料理、行事まで幅広い分野のフリーイラストを提供しています。
彼はイラスト原稿料ではなく、サイトの広告料などで大きな収益を上げているようです。
こうしたシステムを構築した結果、看板やチラシ、広報紙、はたまたテレビのフリップにまで、いらすとやのイラストだらけの世の中になってしまいました。
私も自分のサイトやブログでは、いらすとやのイラストを使っています。
理由の一つは、イラストなどの画像素材については管理している各社の規定が異なるため、いろいろと面倒だからです。
もう一つは、私にお金がないこと。
ですから、個人ではなく、ギャラが発生する出版社などから請け負った仕事では、いらすとやのイラストを使ったことはありません。
企画に合ったイラストレーターを探し、連絡をして、条件その他を詰めてから依頼をします。
ライターもカメラマンもイラストレーターも状況が厳しい。
彼らのクライアントの出版社も状況が厳しい。
そんな状況だから、つい思ってしまうのです。
「私たちの税金を使って製作しているチラシや広報紙ぐらい、地元のクリエイターに仕事を発注してほしい」
千葉県教育委員会のリーフレットにも、いらすとやのイラストが使われているのを見て、「なぜ?」と疑問を抱きました。
内容だけを見れば、4色、コート紙を使う必要はありません。
モノクロで紙質を落とし、イラストは千葉県在住のイラストレーターに依頼するという選択もあったのではないでしょうか。
千葉県教育委員会のリーフレットには税金が使われているはずです。
税金は私たちが徴収されたお金で、千葉県在住のクリエーターたちも支払ったお金。
もちろん無駄遣いはダメですが、クリエーターを育成するという意味で「千産千消」を心がけてもいいのではないでしょうか。
資本主義の世の中で効率化が進むと、いらすとやのイラストで世の中が埋め尽くされるでしょう。
お金が使えないのなら、安価で済ませられる選択をするのも仕方がないこと。
しかし、行き過ぎた資本主義を是正をして再分配をする役割が税金にあるのだとすれば、利便性に乗っかっていくのは違いませんか。
特に教育に関係する機関が、地元の若いクリエーターを育成したり、支援したりしなくてどうするのでしょう。
『クラナリ』では「クリエイティブの分野でも千産千消」運動を進めていきます。
※「千産千消」は千葉ローカルの表現で、「地産地消」の「地」を千葉県の「千」と置き換えています
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