50代以降は要注意! 頭がかゆいのはシャンプーやヘアカラーが原因かも

 頭皮がかゆいと、つい「洗い足りないのかな?」と思ってしまいませんか?
 実は、シャンプーやコンディショナー、ヘアカラーによって、皮膚炎が起こっているのかもしれません。それにもかかわらず、熱心にシャンプーを使ってゴシゴシ洗うと、炎症を悪化させてしまいます。


 私たちが「皮膚へのダメージが大きい」「かぶれや赤みを引き起こす」とイメージしている主な日用品は、洗剤ではないでしょうか。洗剤を使うときには注意をして、手袋をはめる人は珍しくありません。

 しかし、「接触皮膚炎診療ガイドライン 2020」を見たところ、アレルギー性皮膚障害については、2016年4月から 2017年 3 月までにデータとして集められた423 件で、化粧品・薬用化粧品が 54%、医薬品が 25%、装身具・装飾品 9%。家庭用洗剤は、たった1%でした。
 そして、化粧品・薬用化粧品の中でも、ヘアカラーとシャンプーの件数が多かったのです。

「接触皮膚炎診療ガイドライン 2020」より

 「薬を使ってもかゆみが治まらない」という場合、身近な物に原因が隠れている可能性があります。日用品が皮膚炎の原因になっていないか、一度確認してみましょう。

 接触皮膚炎は50代以降の報告が多くなっています。以前は大丈夫だった製品でも、かゆみなどが起こることも十分にあり得るのです。


日用品による接触皮膚炎

(「接触皮膚炎診療ガイドライン 2020」より一部改変 ※以下は、日用品 主な原因物質

刺激性接触皮膚炎

シャンプーや化粧品、洗剤など 界面活性剤(主にアニオン系界面活性剤)
ドライクリーニングを行った衣類 残留した溶剤

アレルギー性接触皮膚炎

抗菌製品(衣類等の繊維製品・家具・洗面器具・台所製品・浴室用品・文房具、壁紙などの内装材・塗装材など) ピリジン系有機抗菌剤、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルホニル)ピリジン(TCMSP)
防腐剤含有製品
シャンプーやリンス、化粧水、美容液マスク、冷却ジェル寝具 イソチアゾリノン系防腐剤
ゴム製品や履物 メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、ジフェニルグアニジン(DPG)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMDC、ホルムアルデヒド、樹脂成分のパラ - タート ブチルフェノール ホルムアルデヒド レジン(PTBP-FR)
靴用接着剤、テーピングテープ、スニーカー、膝装具、マーカーペン、ウエットスーツ  PTBP-FR
衣類 ホルムアルデヒド、黄色染料分解生成物(塩素化ホスゲン化合物)、ナフトール -AS、ナフトール -AS-D、分散染料(ブルー 106、124)、紫外線吸収剤(チヌビン)、防ダニ加工剤(ジブチルセバケート)
プラスチック製品 分散染料(イエロー 3、オレンジ 3、レッド 17)、(油溶性染料(オレンジ 60、レッド179)、紫外線吸収剤(チヌビン P)、接着剤(アビエチン酸)
眼鏡 金属(ニッケル、コバルト)、プラスチック樹脂中の可塑剤、紫外線吸収剤、エポキシ樹脂添加剤、アゾ系染料、アントラキノン系染料、ペリノン系染料である油溶性染料(Solvent)オレンジ 60、レッド179
絆創膏 アクリル系粘着剤、エステルガム


※アニオン系界面活性剤には、以下の3種類があります
①アミノ酸系界面活性剤(ココイルグルタミン酸Na、ココイルグリシンK)
②硫酸エステル塩(ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Na、オレフィン(C14-16)スルホン酸Na)
③カルボン酸塩(石けん素地、カリ石けん素地)


■参考資料
「接触皮膚炎診療ガイドライン 2020」

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