勝手にパワースポット その7 下総国分寺

下総国分寺
〒272-0834 千葉県市川市国分3-20-1

薬師如来(やくしにょらい)は、病気を治してくれる神様として信仰されています。
どうしても薬師如来を拝みたいと思い立った日に、下総国分寺(しもうさこくぶんじ)に足を運びました。

到着してドキッとしたのは、口の形が「ん」の仁王像と目が合ったときでした。
相手は像なので「目が合う」は変なのですが、「すごく見られている」という気分になってしまったのです。



お寺には当然のことながらお墓があります。
たくさんのお墓を見るたびに、「このお墓の数以上に、多くの人が亡くなってきたのだ」としみじみ感じてしまいます。

どうせ死ぬのに、なぜ生まれてくるのか。
どうせ死ぬのに、なぜ最期は痛み、苦しみ、悲しくなるのだろうか。
人間が遺伝子の乗り物ならば、痛みも苦しみも悲しみもいらないではないか……

下総国分寺に来る前には、そんなことを悶々と考えていました。

ただ、お墓を見ていると、「何を考えたところで、生まれてきた命はやがては消えるのだ」という、あきらめにも似た穏やかな気分になってきました。

本堂で手を合わせてから、右側に進むとは、三体地蔵尊がありました。
湯島小学校の生徒が、遠足の帰りに江戸川で船が舟が転覆し、亡くなってしまったのだそうです。
子どもたちの供養のために、地蔵尊が安置されたとのこと。

本堂の左側には水琴窟(すいきんくつ)があります。
水琴窟は穴を開けた水がめなどを地中に埋めて、上から水を流すというようなシステムです。
地中の水がめなどにたまった水に、上から落ちてきた水滴が跳ねると、水がめがポワンと反響して複雑な音が聞こえてくるのです。

私は仕事で水琴窟について調べる機会があり、京都では水琴窟を見に行きました。
通常、水琴窟は手洗い場にあります。
手を洗った後の水が水琴窟に流れて、ピチャンポワンと音がするわけです。

しかし、下総国分寺では水琴窟のそばに手洗い場がない様子でした。
それで私は持参した水を、下総国分寺の水琴窟に流しました。
水筒の水では少なかったものの、水琴窟の音がかすかに聞こえました。


市川駅側から下総国分寺に行く途中に上り坂があります。
坂に差し掛かる場所に小さな鳥居がありました。
「月山」「湯殿山」「羽黒山」と書かれた石碑があり、出羽三山神社から勧請してきたのでしょう。
出羽三山神社といえば、山伏が修行するという印象があります。



鳥居から下総国分寺までは、崖の横の道という感じです。
セメントで擁壁されているのを見て、「子どもだったら、絶対ここをよじ登りたくなるだろうな」などと思っていました。
私はもう十分に大人なので、そんな気はさらさらありませんが。





Powered by Blogger.