一丁目はどうして一丁目なのか問題

 不動産登記では、通常使っている「〇番△号」という住居表示ではない、「□□□-◆」という地番が使われています。

 ややこしいですよね。

 地番とは、明治32年に制定された「不動産登記法」で定められた土地の番号。取引の安全を図るために、国内の土地は境界で区分され、管理されています
 一方、住居表示については、昭和37年に制定された「住居表示に関する法律」で決められているとのこと。

 長年、住所には地番が使われていました。しかし、土地を分けたり、湿地などを埋めて新しく住宅地を作ったりと、時代の流れの中で地番がわかりにくくなってしまって、郵便の配達などで不便になってしまいました。
 この不便を解消するため、住居表示に関する法律を制定されて、自治体の実情に合っていて、わかりやすい表示を行うことになったのです。

 住居表示を行うかどうかは、各自治体に委ねられています。そして住居表示には、以下の2つの方式があります。

■街区方式
道路や線路、恒久的施設、河川・水路などで区画して表示する方式。日本ではこの方式がほとんどで、市川市も採用しています。
住所は「町名」、「街区符号」、「住居番号」の組み合わせで表示されます。
※「市町村内の町又は字の名称並びに当該町又は字の区域を道路、鉄道若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川、水路等によって区画した場合におけるその区画された地域」(住居表示に関する法律)


■道路方式
道路に名称をつけ、道路に接する建物などを表示する方式。山形県東根市の一部で採用され、「山形県東根市板垣大通り10」などと表示します。
※「市町村内の道路の名称及び当該道路に接し、又は当該道路に通ずる通路を有する建物その他の工作物につけられる住居番号を用いて表示する方法をいう」(住居表示に関する法律)

 仕事で日本各地の読者に手紙その他を送った経験があるのですが、札幌市や京都市、いわゆる都市部、そして田舎では住所の表記が違うので面倒だったことを思い出しました。「大字」「小字」もあれば、「入ル」と急に(?)カタカナが入ってきて、字の癖が強い場合は判読が大変だったのです。
 私が新人だった20数年前はパソコンはそれほど普及しておらず、先輩たちに「この住所は何と読むのでしょう?」と聞いていました。

 では、市川市はどうかというと、街区方式を採用しています。そして、街区の区域はちょこちょこと変更されているようです。
https://www.city.ichikawa.lg.jp/gen01/1111000209.html

 先に述べたように町名+街区符号+住居番号で、住所は表示されます。
 町名 +街区符号 +住居番号
 市川一丁目 +1 +1


 ここで、地図を眺めながら非常に気になったのは、町名の丁目。
 東京都千代田区の場合、皇居を中心に放射式または環状式に一丁目、二丁目、三丁目と番号がつけられています。単純に言えば、皇居の近くに一丁目があるということ。


 しかし、市川市については、「て、適当??」という印象を持ってしまったのです。
平田については、JR総武線から上に向かって一丁目・二丁目、下に向かって三丁目・四丁目となっています。
 ところが新田は、JR総武線から上に一丁目・五丁目、下に二丁目・三丁目・四丁目があるのです。

 ややこしい!!

 そもそも、わかりやすくするために住居表示がされるようになったはずなのですが、規則性がなくゴチャゴチャです。

 町名の由来については、市川市のサイト内で紹介されています。
http://www.city.ichikawa.lg.jp/library/db/1069.html

 しかし、一丁目がどうして一丁目になったのかは不明。
 なお、「葛飾八幡宮を中心に放射式または環状式」ではありません(地図で確認)。

 一丁目はどうして一丁目なのか問題。つづく。


〇参考資料
千代田区ホームページ
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/tochi/jukyohyoji/jukyohyoji.html

http://www.merumoni.city.suzuka.lg.jp/kouhou/gyosei/plan/zyukyo/pdf/03.pdf

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