【今井龍弥医師の知恵袋】口臭・歯茎の出血にはヨーグルト歯磨き
「ヨーグルト歯磨き」は今井龍弥医師が考案しました。
私の編集者時代の上司は一晩で歯茎の出血が止まり、「これはすごい」とヨーグルト歯磨きにほれ込んでいました。
ヨーグルト歯磨きの反響は大きく、口臭については一晩で消えたという例がたくさんありました。
歯茎の出血が止まっただけでなく、歯のぐらつきも消えたという報告も受けました。
ヨーグルト歯磨きは、普通に歯磨きをして歯垢を取り除いた後、ヨーグルトをちょっと歯ブラシにつけて、歯や歯茎に優しく塗るという方法です。
ちなみに上司はヨーグルトではなく、乳酸菌製剤を粉々に砕いて歯茎に塗っていました。
ヨーグルトを塗った後はうがいをせず、そのまま過ごします。
寝る前にヨーグルト歯磨きを行うと、朝起きたときに効果を実感できるはずです。粘ついた感じがしないのです。
仕組みをザックリと説明すると、いわゆる「虫歯菌」と「歯周病菌」を、ヨーグルトに含まれている乳酸菌が攻撃して追い払います。
私たちは産声を上げるよりも前に、母親の産道などで細菌と出合い、一生を共にします。
個人差はありますが、口の中には約1兆個の細菌がいます。
細菌の中の虫歯菌と歯周病菌を、ヨーグルトの乳酸菌が乳酸を出して攻撃します。
ヨーグルトの乳酸菌は、もともと口の中にいない菌なので棲みつくことはできず、だ液などで流されていきます(※)。
ところで、虫歯ができる過程で、虫歯菌が乳酸を出して歯を溶かします。
そのため、「ヨーグルト歯磨きが虫歯を誘発するのでは?」の声も聞かれました。
これは誤解です。
詳しくは以下のとおりです。
○虫歯ができるメカニズム
1 虫歯菌が、砂糖を利用してネバネバの物質を作り出し、歯の表面にくっつく→歯垢(プラーク)
2 歯垢の中で虫歯菌が乳酸をたくさん産生するため、乳酸がだ液で薄められない
3 脱灰(だっかい:歯の表面のエナメル質などからリン酸カルシウムの結晶が溶出する現象)が起こって、虫歯ができる
虫歯ができるメカニズムとして、歯垢がキーワードになるわけです。
通常の歯磨きで歯垢を取り除いた後にヨーグルト歯磨きを行えば、虫歯菌を乳酸菌が駆逐し、その後、乳酸菌はだ液で洗い流されてしまいます。
つまりは、ヨーグルト歯磨きさえしていればいいというわけではなく、歯垢を取り除くために丁寧に歯を磨くことも大事なのです。
乳酸菌歯磨きはお金がかかりません。
ヨーグルト容器の壁に付着したヨーグルトを使えば、ほぼ0円です。
「安価優先」「ダメでもともと」(今井医師の口癖)という気持ちで試してみてはどうでしょうか。
高齢化が急速に進む中、歯周病の患者数も増えています。歯周病菌によって糖尿病が悪化する、心筋梗塞が起こりやすくなるなど、歯周病は全身の病気とも関係しています。
また、きちんと歯でかめることは、食べる喜びと生きる喜びにもつながるのではないでしょうか。
失われた永久歯は、二度と戻ってきません。
ですから、後悔しないで暮らしていけるように、今から歯周病のケアをする必要があります。
ヨーグルト歯磨きの詳しいやり方と作用機序については、ぜひ今井龍弥医師の著書を読んでください。
○今井龍弥医師のプロフィール
1940年、愛知県名古屋市生まれ。京都大学医学部卒業後、大阪大学歯学部を卒業。医師免許、歯科医師免許を取得。名古屋市内でクリニックイマイを開業。著書多数。
※腸内細菌研究の第一人者である東京大学の光岡知足名誉教授は、口から食べたヨーグルトの乳酸菌が腸内にとどまって増殖することはないと実験で確認したとのこと。常在菌がヨーグルトの乳酸菌を追い払ってしまうようです。
では、なぜヨーグルトを食べると腸内細菌の善玉菌が増えるのか?
これはヨーグルトの乳酸菌によって腸管の免疫が刺激されて、善玉菌が増えるからだそうです。
外からの菌が消化管で定着するのは難しいと話していました。
光岡名誉教授は、腸内細菌を人間社会にたとえていました。
閉鎖された社会ではよそ者が定住しにくいように、腸内もヨーグルトの乳酸菌は居続けられないのかもしれません。
私の編集者時代の上司は一晩で歯茎の出血が止まり、「これはすごい」とヨーグルト歯磨きにほれ込んでいました。
ヨーグルト歯磨きの反響は大きく、口臭については一晩で消えたという例がたくさんありました。
歯茎の出血が止まっただけでなく、歯のぐらつきも消えたという報告も受けました。
ヨーグルト歯磨きは、普通に歯磨きをして歯垢を取り除いた後、ヨーグルトをちょっと歯ブラシにつけて、歯や歯茎に優しく塗るという方法です。
ちなみに上司はヨーグルトではなく、乳酸菌製剤を粉々に砕いて歯茎に塗っていました。
ヨーグルトを塗った後はうがいをせず、そのまま過ごします。
寝る前にヨーグルト歯磨きを行うと、朝起きたときに効果を実感できるはずです。粘ついた感じがしないのです。
仕組みをザックリと説明すると、いわゆる「虫歯菌」と「歯周病菌」を、ヨーグルトに含まれている乳酸菌が攻撃して追い払います。
私たちは産声を上げるよりも前に、母親の産道などで細菌と出合い、一生を共にします。
個人差はありますが、口の中には約1兆個の細菌がいます。
細菌の中の虫歯菌と歯周病菌を、ヨーグルトの乳酸菌が乳酸を出して攻撃します。
ヨーグルトの乳酸菌は、もともと口の中にいない菌なので棲みつくことはできず、だ液などで流されていきます(※)。
ところで、虫歯ができる過程で、虫歯菌が乳酸を出して歯を溶かします。
そのため、「ヨーグルト歯磨きが虫歯を誘発するのでは?」の声も聞かれました。
これは誤解です。
詳しくは以下のとおりです。
○虫歯ができるメカニズム
1 虫歯菌が、砂糖を利用してネバネバの物質を作り出し、歯の表面にくっつく→歯垢(プラーク)
2 歯垢の中で虫歯菌が乳酸をたくさん産生するため、乳酸がだ液で薄められない
3 脱灰(だっかい:歯の表面のエナメル質などからリン酸カルシウムの結晶が溶出する現象)が起こって、虫歯ができる
虫歯ができるメカニズムとして、歯垢がキーワードになるわけです。
通常の歯磨きで歯垢を取り除いた後にヨーグルト歯磨きを行えば、虫歯菌を乳酸菌が駆逐し、その後、乳酸菌はだ液で洗い流されてしまいます。
つまりは、ヨーグルト歯磨きさえしていればいいというわけではなく、歯垢を取り除くために丁寧に歯を磨くことも大事なのです。
乳酸菌歯磨きはお金がかかりません。
ヨーグルト容器の壁に付着したヨーグルトを使えば、ほぼ0円です。
「安価優先」「ダメでもともと」(今井医師の口癖)という気持ちで試してみてはどうでしょうか。
高齢化が急速に進む中、歯周病の患者数も増えています。歯周病菌によって糖尿病が悪化する、心筋梗塞が起こりやすくなるなど、歯周病は全身の病気とも関係しています。
また、きちんと歯でかめることは、食べる喜びと生きる喜びにもつながるのではないでしょうか。
失われた永久歯は、二度と戻ってきません。
ですから、後悔しないで暮らしていけるように、今から歯周病のケアをする必要があります。
ヨーグルト歯磨きの詳しいやり方と作用機序については、ぜひ今井龍弥医師の著書を読んでください。
○今井龍弥医師のプロフィール
1940年、愛知県名古屋市生まれ。京都大学医学部卒業後、大阪大学歯学部を卒業。医師免許、歯科医師免許を取得。名古屋市内でクリニックイマイを開業。著書多数。
産後は歯のトラブルに悩まされやすいので『女性の体の知恵』でもヨーグルト歯磨きを紹介しています |
※腸内細菌研究の第一人者である東京大学の光岡知足名誉教授は、口から食べたヨーグルトの乳酸菌が腸内にとどまって増殖することはないと実験で確認したとのこと。常在菌がヨーグルトの乳酸菌を追い払ってしまうようです。
では、なぜヨーグルトを食べると腸内細菌の善玉菌が増えるのか?
これはヨーグルトの乳酸菌によって腸管の免疫が刺激されて、善玉菌が増えるからだそうです。
外からの菌が消化管で定着するのは難しいと話していました。
光岡名誉教授は、腸内細菌を人間社会にたとえていました。
閉鎖された社会ではよそ者が定住しにくいように、腸内もヨーグルトの乳酸菌は居続けられないのかもしれません。
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