【ローカルフェスのつくり方】「EDOROCK MUSIC&ART FESTIVAL」で考える「協賛」の意味の重さ

 EDOROCK MUSIC&ART FESTIVAL(エドロック)の原稿は、現在、エドロック実行委員長の藤田あかねさんに校正してもらっているのですが、その原稿では文脈からそれてしまうので十分には書き切れなかったことがありました。

 それが「協賛」の意味。



 昨年度のエドロックのパンフレット(攻略ブック)で注目したのは、協賛企業のリストでした。
 このリストから、不動産会社や梨園、特許事務所、治療院など幅広いジャンルの会社や飲食店がエドロックの趣旨に賛同して、費用の援助を行ったことがわかります。


 中には、経営者がかなりご年配の企業名もありました。
 「エドロック」と伝えるだけでは「江戸川で大音量でロックを流す、騒々しいイベント」と勘違いされる可能性もあります。
 ですから、経営者に直接会って、丁寧に趣旨を説明したのだろうと推測しました。

 協賛を得るには、世代も価値観も違う地元の経営者一人ひとりに説明するという、ある意味、泥臭くて時間がかかる作業が必要です。
 その結果として、「わかった、一肌脱ごう」「お金を出そう」と話が進むかもしれませんし、協賛が得られないかもしれません。
 「いいね!」「すばらしいね」と褒められることとも、「がんばってね」と応援されることとも、気の合う仲間に金銭面で助けてもらうこととも、協賛は異なります。
 
 こうした点も含めて、協賛の意味は重いのです。

 協賛と少し似た例として、雑誌やフリーペーパーなどの広告があります。
 媒体のテーマと特集内容を広く知ってもらって広告を募るのですが、「いいテーマなんですよ。広告を出しませんか」とWebやファックスで流すだけで集まるものでもありません。テーマと特集を詳しく説明し、媒体に広告を出すメリットを知ってもらうように努力しています。
 人間関係にも気を遣ってとても大変なので、多くの雑誌の場合、編集とは別に広告専門の部署があります。

 広告と同様に、協賛も「お金を出してもらう」わけですからハードルが上がります。
 また、広告とは違って企業としてのメリットである「広告宣伝効果」も曖昧なので、もう一段ハードルが上がるかもしれません。

 時間も労力もかかる「協賛を募る」作業も、企画・運営に加えて藤田さんたちが行ったからこそ、エドロックが続いているのでしょう。

 同時に、市川を元気にするローカルフェスとして、地元の経営者たちが大きな期待を寄せていることも、協賛企業のリストから伝わってきました。
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