フリーランスは大変です。ズルしてもいいから会社員をなんとか続けましょうよ

私の場合は、フリーランスになりたくてなったわけではありません。
押し出されて、フリーランスという働き方を選ぶしかなかったのです。

押し出された理由の一つが、夫の単身赴任による平日シングルマザー状態。
その3年間で気力も体力も消耗し、ラッシュアワーの通勤が苦痛でたまらなくなりました。東京方面の電車を待つホームで、「逆方向の空いている電車に乗りたい……」と心底思いました。

社内混雑やら遅延やら……


そこに過敏性腸症候群、子どもの書字問題などさまざまなことが重なって、退社。
市川で職探しをしたのですが、40代女性だと職種が非常に限られています。
勤務地を東京に設定すると、ぐんと職種が広がって、結局は東京の会社に応募することになってしまいました。
「市川と東京は大違いだ……」
職探しでしみじみ実感しました。

その後、知り合いからポツポツ声をかけてもらって、フリーランスの編集者・ライターとして仕事をするようになり、就職活動は辞めて今に至ります。

フリーランスは大変です。
キラキラもワクワクもありません。

諸般の事情で事業計画書を出さなければならなくなったのですが、自分の都合で仕事をコントロールできないのに計画もくそもない!
私の場合、今年の収入が昨年の2倍を超えそうなのですが、やっている仕事は何ら変わりません。
たまたま「編集をやってください」「原稿を書いてください」という依頼が来たかどうか。
その意味では、今年の私は一発屋のお笑い芸人と同じなのです。来年はどうなるのかわからない……

それに確定申告や健康診断など、会社員時代は経理や総務がやってくれたことを全部ひとりでこなさなければなりません。

ボーッとしていたら入金されないので、各社に請求書を送る必要もあります。

ですから、若い編集者や友人に語るのです。
「いろいろあるけれども、会社を辞めるという選択は最後の最後まで取っておいたほうがいい」
「会社の中でズルでもいいからやれることは全部やって、なんとか辞めずに済む方法を模索しよう」

相手は「えっ?」と怪訝そうな顔をします。
「フリーになりなよ」「大丈夫だよ」と私が話すことを期待しているのでしょうね。
いえいえ、違いますよ。

一部の若い編集者は、私がリトルプレスを手掛けていることから「やりたい仕事を自分の手で実現しているのですね」と思うようです。
いやーん、幻。
販路も作れず、あがいているだけです。
作りたい本があるなら、社内で粘り強く働きかけて実現させるほうが仕上がりだって満足できるものになります。

相手次第の仕事をするフリーランスは不安定だから、お店を持ちたいと強く思うようになりました。
できれば職住近接で子どもも学校帰りに寄れる場所。
こうしてJR市川駅の近くに小さいお店を開いたのですが、ここでも打ちのめされました。
「市川と東京は大違いだ……」

私が開いたお店は、若かりし頃に足を運んだ、JR中央線沿線にある小さな古本屋や雑貨店を参考にしたものでした。
駅から離れると小さなお店がいっぱいだった

しかし、JR市川駅近辺とJR中央線沿線とでは、歩いている人の数も年齢層もまったく違いました。
いろいろと企画しても空振りで困っていたときに、やはりお店を経営している女性が語ったのです。
「東京でうまくいっていることと同じことをやっても、市川では失敗するって聞きました」
早くこの女性と出会っていれば、お店は開かなかっただろうに……

企画も尽きてしまい、結局はお店を畳むことにしました。
固定費がかさんで赤字。

元のただのフリーランスに戻ってしまいました。
右肩下がりの出版業界でのフリーランスなので、人生100年時代に備えて市川で何とか仕事をつくれないものか、模索は現在も続いています。

ですから、もう一度書きます。
会社は辞めないほうがいい。
苦しくなってきたのなら、気力と体力を消耗しないやり方を工夫しよう。多少ズルでもいいから。
周囲を見ると、けっこううまくやっている人が必ずいます。視野を広げて、自分のやり方に固執しないことが大事だとつくづく思います。私はもう会社員には戻れませんが。
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