広報は要注意! 出しゃばると、鼻で笑われるのですね

プレスや広告などにキラキラしたイメージを抱いている人は少なくありません。
しかし、仕事内容は、本来、決して自分自身が目立つことのない「黒子」。
この部分をはき違えると、実に恥ずかしい状況に陥るのだと実感させられた出来事がありました。

それが、日本大学の記者会見。
日大アメリカンフットボール部の悪質タックル事件に端を発し、スポーツ庁の長官も言及して、日大全体の体質までが問題視されています。
そんな中、日大アメフト部の指導者の記者会見が開かれたのですが、なぜか注目を集めてしまったのが広報担当の76歳の男性(1942年生まれ)。共同通信社出身とのこと。
https://dot.asahi.com/dot/2018052400054.html
https://www.asahi.com/articles/ASL5R6KRPL5RUTQP047.html

アエラ電子版(2018年5月24日)には「マスコミに記者会見の招集がかかったのは開始1時間前の午後7時」と書かれています。
悪質タックル事件が起こったのが5月6日。
タックルを行った選手が謝罪会見を行ったのが22日。
日大が記者会見を開いたのが23日。
事件が起こってから17日もたっているのに、日大が記者会見を開くと連絡するのがその1時間前というのは、マスコミ関係者の心証が悪いものです。

広報担当者は「マスコミ出身のオレ様が記者会見を仕切ってやる」ぐらいの感覚だったのではないでしょうか。
質疑応答の途中で割って入り、「もうやめてください」「同じ質問です」と記者の質問を制止。
記者からは「会見を続けるかどうか、監督に決めていただきたいんですけど」「監督がお話しされたいみたいなんで、司会の方は控えていただいてもいいですか?」といった発言が挙がったそうです。

私はこの様子をテレビニュースで見たのですが、広報担当者の発言にカメラマンは失笑していました。

それもそのはず。
会見で主役の座についたのが広報担当者だなんて、異常事態だからです。

日大の広報ならば、日大のよさをPRするために、リリースを作成したりメディアと交渉したりすることが仕事。
記者からの問い合わせには正確な対応をする必要があるのに、自分が聞かれていないことに割って入っていくのは見当違いもいいところです。
広報として行うべきだったのは、そっと監督の後ろに行き、小声で続け方を相談したり、「時間になりましたので、あと3つで質疑応答を終わらせていただきます」と言ってから、うるさくなさそうな記者を選んで質疑応答を終了させたりすることではないでしょうか。

そもそも「仕切る」とはどういうことでしょうか。
戦略を立てて、戦術を地道に検討し、記者会見が始まる前にさまざまな手段を準備しておくことだと私は思うのです。
「その場で何とかすればいいや、オレって優秀なベテランだからさ」と日大の広報担当者は勘違いしたのでしょう。

日大の記者会見については、5年ほど前、理事長の黒い金脈関連の弁明で記者会見が開かれたのだそうですが、この会見を仕切ろうとした男性もマスコミ出身者だったとか。
「関係のない人は出て行ってください」と記者からクレームがついたとのこと。

あああ、勘違い広報。なぜ出しゃばって、自分が目立たせてしまうのでしょうか。

私もささやかながら「いちかわ広報委員会(非公式)」プロジェクトを立ち上げました。
「ひたすら黒子に徹する」ことを改めて心に誓いました。
仕事の役割をはき違えている人は痛々しいなあ、見ている私のほうが気恥ずかしいなあと、日大の会見でつくづく思った次第です。

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