【クラナリラボ企画提案】親の家を片づける「お金関係を片づける」

 「母さんが倒れた」

Aさんの元に電話をかけてきたのは夫。Aさんの義理の母親が、脳梗塞で倒れたのです。
義理の母親が一命を取り留め、喜んだのもつかの間。意思の伝達が困難で、生活全般に介護が必要な「要介護5」になってしまいました。

Aさんには自分の母親もいるうえ、自分たち夫婦の老後資金も必要なので、義理の母親の介護費用をすべてはまかなえません。ですから、夫の実家で通帳などがある場所を探さなければなりませんでした。

義理の母親の介護費用を探すために、Aさんは夫の実家を片づけます。それはおよそ10年にわたる、長い作業でした。

●10年かかった理由
1 義理の母親以外、家事をする人間がいなかった
Aさんの夫の実家では、義理の母親がすべてを取り仕切っていたため、義理の父親は何がどこにあるのかまったく知りません。
ですからAさんが、夫の実家で通帳を探すことになりました。
しかし……
 
寝室にはたくさんのタンス。
押し入れには贈答品のサラダ油の缶、のりの缶。
整理タンスに入っていたのは、全部繰り越し済みの古い通帳。
「今使っている通帳はどこ?」とAさんは頭を抱えました。

2 重要書類や貴重品を分散させて保管していた(泥棒対策で隠していた)
プラスチックの衣装ケースの奥からダイヤの指輪を見つけて、Aさんはびっくり。
義理の母親は、昔、泥棒に入られた経験があったので、重要書類や貴重品をあちこちに分散させていたのです。そのため、タンスの引き出しや衣装ケースなどを調べなければならなくなったのです。
Aさんと夫、そして夫の兄の3人がかりで、夫の実家で通帳や貴重品を探し続け、結果として10年かかったのでした。

このように、突然脳梗塞で倒れたら、意思の疎通が難しくなることがあります。人間という生き物は、60歳を過ぎた頃から体にガタが来始め、70歳を過ぎたらいつ、なにがあってもおかしくありません。

年を取れば、大切な物でさえ、どこにしまったのか忘れてしまうことも多くなります。「粗大ゴミのマッサージチェアから現金1000万円」「ゴミ袋の中から新聞紙に包まれた400万円入りの紙袋を発見」などのニュースがよく流れてきます。泥棒が心配で、家中のいろいろな場所に現金を隠していたら、どこに隠したのか、ともすれば隠したこと自体を忘れて、ゴミといっしょに捨ててしまうのでしょう。

年老いた親と離れて暮らしている人は、親の頭がしっかりしていて健康なうちに、親の通帳、現金、貴重品、重要書類など保管場所を確認しましょう。

通帳や現金の場所がわからないと、親が突然倒れたときに、入院・介護費用を自分たちの生活費や貯蓄から工面しなければならなくなります。さらで、兄弟姉妹の間で、親のお金のことでトラブルが発生するケースは珍しくありません。

「まさかのとき」なんて、縁起が悪い。
たとえ親子でも、お金の話をするなんて。

そんな声もよく聞きます。しかし、いざというときに困るのは自分たちです。
Aさんも自身の経験から、「親の家のお金関係をきちんと把握しましょう」と周囲の人にアドバイスしているのだそうです。

親がいつまでも元気でいてほしいと願うことと、親の通帳、現金、貴重品、重要書類などをあるべき場所に片づけることとは決して相反しません。

 高齢化がどんどん進む今の社会で、親子、兄弟姉妹が円満に暮らすために、お金について確認し合っておくことが大切ではないでしょうか。

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